Facebookの悪質投稿で弁護士が教える削除方法・法的措置
実名制という特徴を強みとして、「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」という新しい潮流を世界中に知らしめた「Facebook」。現在では、個人的な情報発信だけでなく、仕事上のつながりや政治的な活動にまで、用途が拡大しています。
ただ、Facebookがもたらす影響力は、ポジティブなものばかりではありません。なかには、他人の評価や評判をおとしめるための、いわゆる誹謗中傷も、一部では行われています。
ここでは、Facebookの誹謗中傷対策について解説していきます。
Facebook投稿の特徴
Facebookは2004年から、ハーバード大学の学生を対象としてサービスが開始されました。当初は学生のみを対象としたサービスであったにも関わらず、実名であることや写真を使用することなどの安心感から利用者が拡大。現在では、13歳以上のすべての人が対象です。
利用者は世界に拡大し、2012年にはユーザー数が10億人を突破。日本でも2500万人以上が利用しているとされています(2016年9月時点)。その用途は幅広く、プライベートの友人だけでなく、ビジネス上の交流ツールとしても活用されているのが特徴です。
Facebookにおける誹謗中傷の態様・特徴
すでに述べているとおり、Facebookの強みはその実名制にあります。運営しているFacebook社も、本人が特定できないアカウントについては、是正するように呼びかけています。しかし、10億人以上のユーザーすべてを、完璧にチェックすることはできません。
そのため、アカウントのなりすましや匿名ユーザーによる、誹謗中傷の被害が発生しています。また、Facebookの実名制を利用して、特定のユーザーに対する嫌がらせ行為も散見されます。いずれの場合も、実際の社会生活に影響をきたす恐れがあるのが特徴です。
Facebookにおける誹謗中傷の具体的事例
Facebookにおける誹謗中傷でよくあるのが、自身の写真を勝手に投稿されてしまい、さらにタグ付け(投稿にタグを付けること。名前が使われた相手にも同じ投稿がタイムラインに流れます)されるという行為です。写真によっては、好ましくないものもあります。
とくにFacebookは実名制のサービスなので、その写真を見た他の人が、意図せずに誹謗中傷行為を助長してしまう場合があるのです。こうなると、広い範囲にまで好ましくない内容が拡散してしまうので、結果的に、被害が予想以上に大きくなる危険性があります。
Facebookでのトラブル解決法
では、Facebook上での誹謗中傷被害に対しては、どのような対応をとればいいのでしょうか。解決するためのポイントについて紹介しましょう。
1.誹謗中傷の種類を把握する
誹謗中傷にあたる投稿の削除を依頼する場合には、まず、投稿の種類について把握しておく必要があります。たとえば、画像や動画を無断で使用されている場合であれば、「画像や動画の削除」を要請することになります。あらかじめ、被害状況も確認しておきましょう。
2.「ヘルプページ」からの問い合わせ
次に、Facebookの「ヘルプページ」から、該当する削除要請へと進んでいきます。たとえば、「プライバシー」の項目には、写真や投稿の削除する方法が記載されています。この場合、Facebookに報告するか、メッセージなどで投稿者に削除を依頼することになります。
3.Facebook本社への法的措置
Facebook本社はアメリカのカリフォルニア州にありますが、日本にFacebookを提供しているのはアイルランド法人です。そのため、誹謗中傷に関する削除要請に応じてもらえなかった場合には仮処分手続きという裁判手続きをアイルランド法人に対して行わなければなりません。
4.投稿者の特定
実名が特徴のFacebookですが、先ほどお伝えしたとおり、なりすましや匿名ユーザーもおります。アカウントから投稿者が判明しない場合は、法的な手続きにより投稿者を特定できる場合もあります。
当事務所の対応
世界で普及しているWebサービスの多くは、海外に本社を置いています。そのため、法的な措置をとろうと思った場合、現地法人に対して行わなければなりません。手間や労力もかかりますし、手続きも煩雑なため、専門の弁護士に依頼するようにしたほうがいいでしょう。当事務所では、Facebookにおける権利侵害の具体的な態様に応じて対処いたします。