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侮辱罪の厳罰化を弁護士が簡単解説!懲役刑導入など誹謗中傷対策強化

匿名掲示板

更新日:2024/01/23

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屈辱罪が厳罰化されるというニュースを見たんですが、どう変わるのでしょうか?法律のことは詳しくないので、分かりやすく教えてください。

誹謗中傷等に悩む企業や個人から3000件以上の相談を受け、迅速に解決してきた法律事務所「弁護士法人ATB」が、このような疑問にお答えします。

最後までお読み頂ければ、「侮辱罪の厳罰化」について、基本的なことが分かります。

結論から言うと、インターネット上の誹謗中傷対策を強化するため、法務省が、侮辱罪を厳罰化する方針を固めました。

具体的には、懲役刑と罰金刑が導入されます。

それに伴い、公訴時効も現行の1年から3年に延びるため、刑事責任の追求もしやすくなります。

侮辱罪とは?名誉毀損罪との違いは?

侮辱罪は、公然と「バカ」「死ね」「キモイ」などと侮辱して、社会的評価を下げた場合に成立する犯罪です。

「○○は不倫してる」「○○は前科がある」といったように、事実を書いて社会的評価を下げた場合は、名誉毀損罪に当たります。

「事実を書く」というのは、「実際にあったかどうか証拠によって白黒付けられることを書く」ということです。真実かどうかは関係ありません。

つまり、侮辱罪と名誉毀損罪の大きな違いは、「事実を書いたかどうか」ということです。

現在の法定刑

侮辱罪

事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する(刑法231条)

拘留とは、「一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する」という刑罰です(刑法16条)。

科料とは、「千円以上一万円未満」の支払いを命じる刑罰です(刑法17条)。罰金は1万円以上ですから、科料はそれより軽い刑罰です。

名誉毀損罪

比較のために、名誉毀損罪もご紹介します。

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する(第230条)

両者に差がある理由

侮辱罪も名誉毀損も、ネット上の誹謗中傷でよく成立する犯罪です。

ところが、名誉毀損の場合は、最長3年間刑務所に入れられるか、最大50万円の罰金が科されます。

一方、侮辱罪は、最長29日間刑事施設に拘置されるか、最大9999円の科料で済みます。

このような差があるのは、

・具体的事実を書く名誉毀損の方が、相手の評価(評判)を下げる程度が大きいこと

・侮辱は具体的事実を書かないため、表現の自由で認められる単なる批判との区別が難しいこと

こういった理由が挙げられます。

簡単に言うと、「名誉毀損の方が悪質だから刑が重い」ということです。

侮辱罪厳罰化の経緯

プロレスラーの木村花さんが自殺した問題で、Twitter(ツイッター)で誹謗中傷した男性2名が侮辱罪で略式起訴され、いずれも科料9000円の略式命令を受けました。

この事件を通じて、侮辱でも時に人を死に追いやることもあることが社会問題となり、厳罰化を求める声が上がっていました。

そして議論の結果、法務省が、侮辱罪を厳罰化する方針を固めました。

具体的には、現行の法定刑に、1年以下の懲役か禁錮、または30万円以下の罰金を追加する案を固めたと報じられています。

これでも名誉毀損罪よりは軽いですが、現行の法定刑に比べれば、一定の厳罰化が行われます。

厳罰化によって、どう変わる?

刑事責任が重くなる

これまでは比較的軽い刑罰しか科されなかった侮辱に対して、一定程度重い刑罰が科されるようになります。

これによって、誹謗中傷の抑止につながることも期待されます。

公訴時効が現在の1年から3年に延びる

犯罪には公訴時効というものがあり、時効を過ぎると刑罰を科すことができません。

この時効の長さは法定刑によって変わるのですが、現行の侮辱罪の法定刑では1年です。

つまり、1年以内に起訴しなければなりません。

ところが、匿名で書き込まれた場合、発信者(書き込んだ人)の特定に時間が掛かります。

特に、木村花さんの事件のように多数の書き込みが行われた場合には、1年で全員を特定して起訴するのは簡単ではありません。

ところが、上記のとおり厳罰化されれば、公訴時効は3年に延びます。

これによって時間の余裕ができるため、発信者を特定して、刑事責任を追求しやすくなります。

誹謗中傷に遭ったら、一日も早く弁護士に依頼するのがオススメです

以上、侮辱罪の厳罰化について解説しましたが、改正後の法律が適用されるまでは、まだ時間が掛かります。

こうしている間にも、残念ながらネット上の誹謗中傷は起き続けています。

もしあなたが誹謗中傷被害に遭ったら、弁護士にご相談ください。

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まとめ

侮辱罪の厳罰化について解説しました。

従来は、名誉毀損に比べてかなり軽い刑罰しか科されませんでしたが、ネット上の誹謗中傷問題の深刻化を受け、懲役刑・罰金刑が導入される方針となりました。

時効も延びるため、今後は刑事責任の追求もしやすくなります。

誹謗中傷弁護士・藤吉監修のブログ

この記事の監修者

弁護士法人ATB

これまで、インターネット匿名掲示板等での『誹謗中傷』に悩む企業や人の相談を 3000 件以上受け、迅速に解決してきた弁護士事務所です。 「5ちゃんねる(2ちゃんねる)」「爆サイ」「ホスラブ」「X (旧Twitter)」など、数10種類以上のWebサイト、SNS、掲示板の投稿への削除依頼、発信者情報開示請求(投稿者の特定)等に、プロフェッショナルとして幅広く柔軟に対応しています。