ネットストーカー事例|SNS投稿で分かる個人情報
ネットストーカー(サイバーストーカー)とは、インターネット上をきっかけとして、誹謗中傷やつきまといなど行う行為です。
ネットストーカーなどのストーカー相談件数は年々増加しており、主に中高生などの若年層が被害に遭うケースが多いようです。
「ネットストーカー」被害急増 SNS普及で中高生標的に
インターネット上に執拗な書き込みなどをして付きまとう「ネットストーカー」の被害が急増している。見知らぬ人と簡単につながる交流サイト(SNS)の普及が背景にある。被害は中高生に目立っており、専門家は気軽に個人情報を投稿しないよう警告している。
今回は、ネットストーカーの事例や犯人がどのように個人情報を集めるのかなどについてご紹介します。
おすすめ記事 |
ネットストーカーが、相手を特定するための情報
ネットストーカーは、インターネット上で特定の人物を誹謗中傷したり情報収集したりする行為です。
ネットストーカーはどのように情報収集を行うのでしょうか?
この項目では、ネットストーカーが特定できる情報やSNSなどで気をつけることについてご紹介します。
アカウントの個人特定
X(旧Twitter)、Instagram、FacebookなどのSNSは多くの人が複数利用しているでしょう。
これらのサービスは、ユーザー名を使うことで匿名性を保っていますが、実際には各アカウントのつながりなどを見ることで個人を特定することもできます。
- 複数SNSを連携させて使っている
- 個人名がそのままユーザー名になっている
- フォロワーとの人間関係
- フォロワーが実名などでSNSを使用している
このような状態が1つでも当てはまる場合、個人や実名を特定することができてしまいます。
個人特定の例
- X(旧Twitter)の『フォロワー』でリアルでも会っていると思われるフォロワーを見つけた
- フォロワーのまた『フォロワー』やFacebookなどをあたり、個人が特定できそうな人を探す
- Facebookなどで個人が分かる人を見つけた場合は、その『友達』からX(旧Twitter)のフォロワーに結びつく人を探す
- 個人が特定できる
上記のような方法でも、簡単に個人を特定することができます。またこの他にも、投稿した写真や写真に写っている服装、投稿内容から読み取れる行動範囲などでも予測されるケースもあります。
居住地域や会社所在地
SNSの投稿では個人の顔や名前だけでなく、その人の住所や勤めている会社も予測することができます。
前述しましたが、X(旧Twitter)やInstagramに投稿した写真、投稿内容から日常の行動範囲を特定することは容易です。
- ランチライムに投稿した料理の写真や感想
→画像検索などでお店の特定、近くにある会社の選定が可能
- 電車の遅延や満員状況
→利用している通勤経路、会社・自宅の場所が予測できる
- 自宅や会社から見た景色などの画像
→『どこから撮影したのか』がGoogle Earthなどで予測できる
ある程度予測ができてしまえばゴミの集積場所など、より多くの個人情報が得られる場所も特定できてしまうため、実生活を脅かすことになる可能性もあります。
子供の名前、学校、通学経路などを特定される
SNSやブログを利用している方の中には、子供(孫)の顔写真や後ろ姿などを写真にとって投稿することもあるでしょう。これは非常に危険な行為です。
顔をスタンプで隠したり映らないようにしたりしても、服装や体型、肌の色などから『どんな生活をしているか』『どんな雰囲気の子か』『普段どんな格好で学校に行っているのか』などが分かってしまいます。
また、保護者が働いているか否か、働いている時間帯などがわかる場合は、子供を誘拐することも簡単にできてしまうのです。
可愛い子どもや孫を他の人に見せたい気持ちはよくわかりますが、不特定多数が見られる状態にするのは避けたほうが良いでしょう。
ネットストーカーから事件に発展した事例
この項目では実際にあったネットストーカーの事例についてご紹介します。
SNS・メールで復縁を迫り断られらので放火した事例
元交際相手宅に放火 ストーカー行為で逮捕の元自衛官を再逮捕 警視庁
元交際相手の20代女性宅に火をつけたとして、警視庁は21日、現住建造物等放火と邸宅侵入の疑いで、東京都品川区豊町、元自衛官のアルバイト、宇田大志被告(30)=ストーカー規制法違反罪で起訴=を再逮捕した。「弁護士と相談してから弁解する」と認否を留保しているという。
この事件で逮捕された男性は、女性に対しSNSのメッセージなどを20回以上送りつけていました。
X(旧Twitter)やLINEで何度も復縁を迫り逮捕された事例
SNSでストーカーの23歳男逮捕「俺は強硬手段に出る」 法改正後、兵庫県内で初
以前交際していた女性に無料通信アプリ「LINE(ライン)」などで連続してメッセージを送ったとして、兵庫県警生田署などは18日、ストーカー規制法違反と脅迫の疑いで、同県加東市の無職の男(23)を逮捕した。同署によると、会員制交流サイト(SNS)を使った付きまとい行為を新たに規制対象とした改正ストーカー規制法が3日に施行されて以降、県内で適用されたのは初めてという。
この事件でも、逮捕された男性はX(旧Twitter)とLINEを利用して、元交際相手に対し復縁を迫るツイートやメッセージを何度も送りつけていました。
youtuberの自宅を特定し住居侵害で逮捕された事例
「はじめしゃちょー」ストーカー女逮捕 別の男性ユーチューバーにもストーカー行為
人気ユーチューバーのはじめしゃちょー(24)の静岡県内の自宅に侵入したとして千葉県市川市の派遣社員、田畑華子容疑者(29)が25日、静岡中央署にストーカー規制法違反と住居侵入の疑いで現行犯逮捕された。「会う約束をしていた」などと容疑を一部否認している。
芸能人ではなくとも、動画配信サービスなどで人気となっている方は、ネットストーカーに狙われやすくなります。
ネットストーカーは、インターネット上のつきまといに限らず、実生活でもストーカー行為に走ってしまうこともあるのです。
ネットストーカー被害の対処方法
この項目では、ネットストーカーの対処方法についてご紹介します。
なお、ネットストーカーは、SNSやブログだけの問題ではありません。身の危険を感じた場合は、早急に警察や弁護士に相談しましょう。
SNSやブログの利用を停止する
ネットストーカー被害にあった場合、まずは情報源となってしまうSNSやブログの利用を控えるようにしましょう。
また、当事者とメッセージやコメント欄で直接やり取りするとトラブルが複雑になってしまう可能性があるため、直接交渉はやめたほうが良いでしょう。
個人情報をさらされていた場合は削除依頼
ネットストーカーのなかには、一方的に誹謗中傷してきたり、個人情報を晒すことで誹謗中傷をする仲間を増やそうとしたりする人もいます。
ネットストーカーによって、個人情報をインターネット上に書き込まれてしまった場合は、拡散される前にサイト管理者に投稿の削除を依頼しましょう。
おすすめ記事 |
警察に接近禁止令など申し立てる
ネットストーカー被害が実生活に及ぶ場合は、警察にストーカーとして相談することができます。
警察庁では、以下のような場合、ストーカー規制法に違反するとされています。
ア つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
イ 監視していると告げる行為
ウ 面会や交際の要求
エ 乱暴な言動
オ 無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
カ 汚物等の送付
キ 名誉を傷つける
ク 性的しゅう恥心の侵害引用元: 警察庁|ストーカー規制法
警察の介入が可能な場合、警察から相手に直接ストーカー行為の中止を命令することができます。
ただし、警察には『民事不介入』の原則があり、ネットストーカーを個人の問題として相談に応じてもらえないこともあります。その場合は、弁護士に相談しましょう。
裁判所に処分を仰ぐ
ネットストーカー被害が、ストーカー規制法に違反するものであったり、名誉毀損などの違法行為であったりする場合は、裁判を起こして相手を訴えることも可能です。
裁判では、接近禁止令や損害賠償請求などで相手に処分を下せるケースがあります。
ネットストーカー被害は弁護士に相談
ネットストーカー被害は、個人が特定される前の状態であれば、SNSアカウントやブログなどの利用を控えることで防げることもあります。
しかし、ストーカー行為がエスカレートすると実生活に影響が出る場合もあります。このような場合は、警察か弁護士に相談し、対処する必要があります。
ただし、警察は原則として『民事不介入』のため、内容によっては相談に応じてくれない場合もあります。警察が相談に応じてくれない場合は、弁護士に相談することで弁護士名義でのストーカー行為の中止要請や警察・裁判所を介した解決などが図れる可能性があります。
もしも、ネットストーカー被害に悩んでいる場合は、弁護士に相談することも検討してください。
この記事がネットストーカー被害に悩んでいる方にとって解決のヒントになれば幸いです。
おすすめ記事 |