エゴサーチの意味とは? 効果的な方法と見つけた悪評への対処法も解説
エゴサーチの意味は
まず、「エゴサーチ」の意味から紹介していきます。
エゴサーチ(エゴサ)とは?
エゴサーチは、「エゴサ」とも呼ばれています。英語では、『egosearching』といいます。ラテン語で「私」を意味するエゴ(ego)と、英語の検索(サーチ:search)を合わせて成立している言葉で、日本語では「自己検索」といった意味です。
簡単にいうと「インターネット(SNS)を使って、自分の名前を検索すること」です。ここでは「名前」としましたが、これは実際の「本名」だけにとどまりません。インターネットで何かを発信する人の場合、特定のハンドルネームやIDを持っていることも非常に多いでしょう。このようなハンドルネームやIDで検索をかけることもまた、「エゴサーチ」にあたります。
また、ブログやサイトなどをやっている人の場合、このブログやサイトの名前で検索することも、広い意味では「エゴサーチ」にあたります。企業や団体、組織が自らの名称やアカウント名を検索することも含まれます。
なお、現在、「エゴサーチ」を単なる「検索」の意味で使っている人もいますが、これは誤用です。
エゴサーチの対象になるメディア・SNSは?
エゴサーチの対象となるメディアには、これといった定義づけはありません。Google(グーグル)やYahoo!(ヤフー)といった大手の検索サイトで検索をかけることも「エゴサーチ」になりますし、X (旧Twitter)やInstagram(インスタグラム)などSNSで検索をかけることも「エゴサーチ」となります。
ただ、SNSの場合、Instagramをやっていない人がInstagramでエゴサーチをしても、検索で自分のことを見つけられることはほとんどないため(非常に著名な人物・サービスならば別ですが)、まず、自分がふだん頻繁に使っているSNSで検索する方が合理的だといえるでしょう。
SNSやニュースで話題になることがある
エゴサーチは、その商品やサービスに対しての忌憚(きたん)のない意見を聞けるものでもあります。このため、企業はよくマーケティングリサーチの一環としてエゴサーチをしています。その結果、ネットで話されていた内容を参考にして商品やサービスが改善されることもあります。このような事例は、よくニュースでも取り上げられます。
エゴサをやってはいけないのか?
エゴサーチは、「やってはいけないもの」ではありません。「検索してヒットする情報」は、(違法性のないものである限り)原則として「触れてもよいもの」だからです。
ただ、エゴサーチを行うと、好意的な書き込みだけではなく批判や悪意を持った書き込みが検索結果に表示されることもあります。これは時にあなたの心を深く傷つけ、非常に長く残る傷跡を残すこともあります。
人は、「良かったこと」は口にしなくても、「悪かったこと」はよく口にするものです。このため、エゴサーチをするときは、「出てくるのは悪い噂ばかりのはずだ」くらいの心構えを持っておくべきです。そのため、メディアで仕事をしている人であっても、「一切エゴサをしない」と宣言している人もいるほどです。
エゴサーチのやり方の基本は「名前で検索」
エゴサーチのやり方の基本は、「自分の“名前”を調べること」です。
Google検索で5ちゃんねる、ブログから調べる
Google検索などから自分の名前を調べることは、もっとも簡単なエゴサーチのやり方のうちのひとつです。検索窓に自分の名前を入れて調べるだけで、自分の名前が取り上げられたブログなどが出てきます。なお、エゴサーチ対策として、なんらかの『検索除け』(けんさくよけ:検索に引っかからないようにするため、固有名詞やアカウント名を別の単語に言い換えるなどの工夫)をしている場合は検索にひっかからないこともあります。
X(旧Twitter)でどうツイートされているか調べる
X(旧Twitter)で調べるときは、X(旧Twitter)公式Web版の画面右上の虫メガネマークのある検索窓(「キーワード検索」と灰色の文字で記されているところ)に自分の名前または検索したい名称を入力して、検索することで出てきます。
なお、X(旧Twitter)に限ったことではありませんが、同じ名前が多い(「真美」などのように短く、かつ同じ名前の人が多くいると思われる)ケースでは、かなり多くの発言やアカウントが検索結果として表示されてしまうので、例えば検索する際に「居住地+名前」「勤務先(在学先)+名前」のような工夫が必要になります。
Instagramでどう取り上げられているか調べる
Instagram(インスタグラム)は、アプリ等によって位置が異なりますが、「虫眼鏡」のアイコンをクリックして検索します。なお、Instagramでは、半角の「#」を用いた「ハッシュタグ」が好まれる傾向にあるので、自分の提供しているサービスやお店の評判を知るためにはハッシュタグ(「#」)を入れて検索するのもよいでしょう。
動画・画像・音声ファイルは検索できるか?
Google検索でもX(旧Twitter)でも、検索キーワードを入力したのちに、「画像」「動画」というタブをクリックすることで画像、動画を検索することができます。インスタグラムの公式では、画像と動画を分けて検索する機能はついていませんが、別のアプリを使うことで検索することができることがあります。
エゴサーチの結果を活かす
エゴサーチは、明確な理由と強い気持ちを持って行わない限り、つらい結果に終わることも多いものです。ここではエゴサーチをすることの意味や検索を活かす考え方についてふれていきます。
自分や自社などの世間の評判、評価を知ることができる
メディアに露出していたり、お店を出していたり、サービスを提供していたりする人にとっては、自分(もしくは自社・自社サービス)の評判・評価を知ることのできる有用な手段となり得ます。芸能人や会社組織などでもエゴサーチをしていることも多く、それが次の商品開発・サービスの改善に役立つこともあります。
マーケティング・モチベーションアップに活かせる
的確な批判は、商品やサービス、あるいは人との接し方を見直す機会となりえます。また、良い評判を発見することで、モチベーションがあがり、よりよいサービスを提供しやすくなるというメリットもあります。またプライベートの場においても、自分のことを楽しく友人が話していると自分も嬉しくなるものです。
誹謗中傷・風評被害・いじめなどをいち早く察知して、対応できる
残念ながら、エゴサーチには良い部分ばかりではありません。むしろ人は、何かのサービスを利用した時、「不満ならば口にするけれど、良かったことは口にしない」ということも多いものです。そのため、エゴサーチによってマイナスの意見が見つかることも非常に多いのです。
それが正当性のある批判であればもちろん糧にはなりますが、なかには誹謗中傷・風評被害・いじめでしかないものもあります。このようなものを発見するのはつらいことではありますが、場合によっては事態がより悪化する前に適切な対策を取ったり、場合によっては法的措置を講じたりすることもできますので、見方を変えると、非常にメリットとなりえます。
こまめなチェックで「炎上」防止効果が期待できる
「バイトテロ」の存在は、なにがしかのサービスやお店を提供している人にとっては非常に頭が痛い問題です。
バイトテロとは一般的には、雇われている人間が、主に悪ふざけを目的として、店内で本来はやってはいけない行為をわざと行う行為、及びそれを撮影してインターネットに流す行為です。アイス用の冷凍庫に人が入ったり、調理用什器を使ったいたずらをしたりすることが多く、ネットのニュースなどでよく話題になっています。
バイトテロによる様々な不適切な行為を多くの人に知られてしまうと、お店の評判が落ちることは自明の理です。エゴサーチをすることで、まだそれほどバイトテロが知られていない間に処理をし、炎上を防ぎ、「消火」することができるようになります。
【2019年に発生したインターネットで拡散したバイトテロの例】
▼《くら寿司バイトテロ》書類送検の少年3人、動画拡散は「仲たがい」だった
https://www.jprime.jp/articles/-/15783▼“バイトテロ”受け大戸屋が3月12日「一斉休業」…1日の“再教育”で信頼回復なるか
https://www.fnn.jp/posts/00432430HDK▼【炎上】セブンイレブンのバイトが売り物のおでんの具材を口に入れ吐き出す不衛生行為
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4804942
トラブルの火種になるデメリットもある
これまで述べてきたように、エゴサーチは諸刃の刃でもあります。人によっては「希望などほとんど出てこないブラックボックスのようなもの」と感じる人もいます。エゴサーチをして、見つかるのは好意的な書き込みばかりではないからです。「知らなければよかった」という話もたくさん出てきます。なかにはこれでメンタル面の不調を覚えるようになる人もいます。
また、誹謗中傷を受けると反論したくなりますが、反論したことによってさらに注目を浴びることもあります。舌戦の結果、汚い言葉・正しくない言葉を使ってしまい、それを糾弾され、アカウント閉鎖などに追い込まれた例も少なくありません。
エゴサーチをするときには、「悪い噂しか出てこないのだ」というくらいの心構えをしてから調べる覚悟が必要かもしれません。
削除依頼の方法
エゴサーチをして、自社や自分への誹謗中傷や悪意のあるコメント等を見つけてしまった場合、放置するのは危険です。なぜなら、インターネットの特性として、コピー、拡散されてしまうことがあるためです。そうなると、あなたへの悪評はデジタルタトゥーとなって、いつまでもネット空間を漂ってしまうことになります。
そうなる前に「削除依頼」等の手段を講じることをおすすめします。
5ちゃんねるなど匿名掲示板での削除
5ちゃんねるなど匿名掲示板で誹謗中傷をされていると感じた場合は、まずは落ち着いてガイドラインに目を通しましょう。そのうえで、自分への批判が「公共性がなく、情報的な価値もなく、現在一般に公開されているものでもない」という要素を満たしたのであれば、メールで削除依頼を出すことができます。
削除を願い出るためには、懸命やURL、レス番号、削除依頼の理由などを書き添える必要があります。また、本人であることを証明する資料もつけなければなりません。決して多くはない事例ですが、一応書込み者メールで異議申し立てを行う権利はあります。
X(旧Twitter)での削除
X(旧Twitter)での通報は、当該アカウントの横にある「・・・」のマークから行えます。ブロックでも構いませんが、「報告」というかたちで違法性を指摘する方が確実でしょう。
「報告」のボタンを押すと、いくつかの選択肢が出てきます。誹謗中傷の場合は「攻撃的なツイート」に値することが多いのでそれをクリックして、後は選択肢に従って報告をしていきましょう。
Instagramでの削除
Instagramでも通報措置を行うことができます。これもX(旧Twitter)と同じで、いくつかの選択肢のなかから該当するものを選び、運営に知らせていくやり方をとります。誹謗中傷の場合は、「嫌がらせ」などが該当する場合が多いかと思われます。
その他・記事やブログでの削除
記事やブログの場合も、運営元に通報するのが基本です。
ブログに限った話ではありませんが、基本的に、「誹謗中傷をしている当人」に接触するのはあまり良いやり方とはいえません。淡々と運営元もしくは法的な措置をとり、本人への接触は専門家に任せるのが得策です。たとえあなたの言い分が正当なものであっても、本人同士での話し合いはこじれることが多いからです。
誹謗中傷や名誉毀損、リベンジポルノ等への法的な対処方法
エゴサーチで誹謗中傷などがあった場合は、運営への通報が基本です。しかし以下のような場合は、ためらわずに弁護士に相談してください。
こんなときは迷わず弁護士に相談
- 一度削除されても何度でも同じような書き込みが行われる
- 風評被害によってダメージを受けている、あるいはダメージを受ける確率が高い
- 個人情報がさらされている
- 心身に危険が迫っている、もしくは心身の調子を崩した
- リベンジポルノなど、将来にわたってさまざまな問題を引き起こしかねない情報・動画・画像などを流されている
- 加害者を特定したい。法的な制裁を検討している(次項以降で説明)
誹謗中傷・風評被害・いじめ書き込みの加害者を特定したい
誹謗中傷・風評被害・いじめの書き込みを特定したい場合、弁護士への相談は極めて有用です。仮処分(裁判を起こすことには長い時間がかかるため、その間に起こりうる損害を防ぐために裁判所から出される仮の処分のこと)によって、すぐに削除を行ったり、書き込んだ加害者を特定できたりすることができるようになります。
このやり方自体は、弁護士に頼らずとも行えます。しかしインターネットでの誹謗中傷などはあっという間に広がりますから、初動が大切です。そして初動を速やかにするためには、専門的知識があり、慣れている弁護士が非常に頼りになります。
損害賠償請求を行いたい
インターネットによる誹謗中傷などの「決着」をどこに見るかは人によって異なります。「削除できれば良い」「落ち着いたらそれでよい」という人もいるかと思われますが、「損害を被ったので損害賠償をさせたい」「慰謝料をもらいたい」と考える人もいるでしょう。
このような場合は、弁護士を通した方がよいといえます。弁護士が入ったということで「相手(被害者)が本気であること」を相手に伝えることもできます。高額な損害賠償金(慰謝料)も通りやすく、裁判でも勝訴しやすくなります。
また、弁護士という法律の専門家が側にいて相談に乗ってくれるということで、心強くも思えるようになります。必要に応じて警察への相談が勧められることもありますが、「専門家に力を借りること」はどのようなトラブルでもメリットは大きいといえます。
まとめ
エゴサーチにはメリットもありますが、デメリットもあります。エゴサーチはそのことを十分に分かったうえで行うようにしなければなりません。
また、名誉毀損・誹謗中傷や脅迫、リベンジポルノなど、自分の手には負えない状況や、あるいは相手に損害賠償請求や刑事告訴など制裁を加えたいと考える場合は、弁護士や警察官の手を借りるようにしましょう。