ネットストーカー被害が相談できる4つの窓口
ネットストーカー被害は警察や弁護士、民間シェルターなどに相談することができます。
2016年に行われた『ストーカー規制法』の改正では、SNSやブログなどでの付きまとい、執拗な投稿などがストーカー行為の対象になりました。このことから、ネットストーカーに対する認知度が高まり、被害を相談する人も増えてきています。
ストーカー相談件数増 1~5月末前年同期比 102件増の471件
県警に寄せられるストーカー事案の相談件数が増えている。昨年は過去10年で2番目に多い1123件(最多は2013年の1132件)を数えた。今年は1~5月末までで、前年同期比102件増の471件と増加傾向が続いている。ストーカー加害者の中には再犯を繰り返す者もおり、県警は精神科医との連携を通じた対策に力を入れている。 (西川正志)
この項目では、ネットストーカー被害の相談窓口や、相談によって可能な対策などについてご紹介します。
ネットストーカー被害が相談できる4つの窓口
ネットストーカー被害は、応じてくれる窓口に相談して、早めに対策を考えておくことが重要です。
この項目では、ネットストーカー被害の相談窓口をご紹介します。なお、ネットストーカー被害は甘くみてはいけません。身の危険を感じる場合は、すぐさま行動をとってください。
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身の危険を感じたら警察
ネットストーカー被害で実生活に影響が出ている場合は最寄りの警察署に相談しましょう。
- ストーカーが自宅を突き止めた可能性がある
- 生活圏に不審な変化があった
- 具体的な暴行・殺害予告などをされた
このような場合は、必ず1度警察に相談しましょう。
ただし、警察には『民事不介入』の原則があります。そのため、現行犯でない場合や個人間のトラブルとみなされた場合、相談に応じてもらえない可能性もあります。
そのため、警察だけを頼りにするのではなく、弁護士などの専門家や民間シェルターの保護制度などもあわせて活用しましょう。
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相手を特定して対処したい場合は弁護士
警察が相談に応じてくれない場合や相手からのストーキング行為や誹謗中傷などに対して法的措置などを検討している場合、弁護士に相談するのも1つの方法です。
- ネットストーカーの犯人が特定できず他の機関に相談できない
- 相手に誹謗中傷による慰謝料を請求したい
- 個人情報を投稿されてしまったので消したい
このような場合、弁護士による手続きや法的措置が有効なケースもあります。
女性に相談したい場合は婦人相談所
婦人相談所とは、主にDV (ドメスティック・バイオレンス) など、配偶者からの暴力、また性暴力などの相談を受け付けている公的機関です。
女性相談員などが相談に応じてくれるため、女性ならではの問題について相談することができ、相談員と一緒に解決策を考えることができます。
婦人相談所は、各都道府県や地域に設置されており、電話や面接での相談を受け付けています。
関連リンク: 厚生労働省|婦人相談所一覧(PDF)
相手から逃げたい場合は民間シェルター
元配偶者や元交際相手などによる付き迷い、ネットストーカー被害は民間のシェルターを利用することができます。
シェルターでは一時保護などの制度があり、住所を突き止められ家に帰れない、行き場のない場合に利用することで一時的に身を隠すことができます。
民間者シェルターは複数箇所設置されているので、最寄りのシェルターの場所などを確認することをおすすめします。
警察に相談する際に知っておくべきこと
ネットストーカーによって、身の危険を感じたら、まずは警察に相談することが重要です。ただし、警察には民事愚介入の原則があるため、すべての相談に応じるわけではありません。
この項目では、警察が介入できないケースとストーカー規制法についてご紹介します。
警察には『民事不介入』の原則がある
警察には民事不介入の原則があり、個人間のトラブルには原則として介入しません。
ただし、相手が自宅付近をうろついていたり、嫌がらせの電話、郵便物の送付などを行ってきたりした場合、刑事事件として警察に相談することができます。
警察に通報・相談すると、訪問や見回りなどを行ってくれるケースがあります。相談事応じてくれない場合も、記録は残りますので、複数回相談に行くことで応じてくれる可能性もあるでしょう。
法改正によりSNSが規制対象になった
ネットストーカーは内容によっては、ストーカー規制法の対象となることがあります。
主な対象は以下のことです。
ア つきまとい・待ち伏せ・押し掛け・うろつき等
イ 監視していると告げる行為
ウ 面会や交際の要求
エ 乱暴な言動
オ 無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール・SNS等
カ 汚物等の送付
キ 名誉を傷つける
ク 性的しゅう恥心の侵害引用元: 警視庁|ストーカー規制法
特に、メッセージやSNSでは、『拒否しているのにも関わらず何度もメッセージを送りつけてくる』といった行動が対象となります。警察が一連の行動をストーカー行為として認めた際は、相手に対しネットストーカーの中止を警告したり接近禁止令を下したりすることもあります。
ネットストーカーを弁護士に相談した場合にできること
ネットストーカー被害は、実害が発生しないと他の相談窓口も応じてくれないこともあります。
この項目ではネットストーカー被害を弁護士に相談してできることについてご紹介します。
相手を特定できる
ネットストーカーは匿名で行われていることがほとんどです。相手が顔見知りや元交際相手などであることが分かっている場合は良いのですが、なかには心当たりがないこともあるでしょう。
この場合、投稿者のIPアドレスなどから発信者情報の開示を行い、相手を特定することも可能です。
弁護士名義で手続きができる
- 発信者(投稿者)情報の開示請求
- 警察への相談
- 相手への警告
これらは、個人で行うと応じてもらえなかったり、問題がかえってこじれたりすることもあります。
一方、弁護士名義で手続きや書面作成を行うことで、サイト運営・管理者やプロバイダ会社、警察により迅速に対応してもらえる可能性が見込めます。
裁判までサポートしてもらえる
発信者(投稿者)情報の開示請求や名誉毀損の訴えなどは、裁判に発展することもあります。もしも裁判に発展した場合も弁護士に相談していれば、法的措置も含めたサポートを受けることができます。