5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)で相手を誹謗中傷してしまった場合の対処方法
2ちゃんねるを利用して書き込みなどをしていると、ついつい感情的になって他人の誹謗中傷をしてしまうことがあります。相手と言い合いになって、書かなくてもいいことまで書き込んでしまうこともあるでしょう。
こうした場合、すぐに削除すれば良いですが、放っておいて拡散されたらもはや消すことができません。この場合、どのような問題があり、どのように対処したら良いのでしょうか?
今回は、2ちゃんねるで相手を誹謗中傷してしまった場合の対処方法について解説します。
削除すれば良いというわけにはいかない
2ちゃんねるで他人の誹謗中傷をしてしまった場合、いつでも削除出来るから問題ないと思うかもしれません。しかし、ことはそう簡単ではありません。2ちゃんねるへの書き込みをすると、その内容が別の掲示板に転載されることもありますし、2ちゃんねるのまとめサイトに移されることなどもあります。
そうなったら、元の書き込みを消しただけでは対応ができないのです。しかも、相手がその書き込みを見てしまったら、相手がその投稿をプリントアウトしたり写真を撮影したりして、証拠をとってしまうかもしれません。
こうなると、もはや書き込みをなかったことにはできないのです。
2ちゃんねるへの書き込みをするということは、それだけ責任がありリスクがあるものだということを理解しておく必要があります。
相手から慰謝料請求されるおそれがある
それでは、2ちゃんねるで相手を誹謗中傷すると、どのような責任追及をされるおそれがあるのでしょうか?
まず、考えられるのが、相手からの慰謝料請求です。相手に対して誹謗中傷的なコメントをすると、それが名誉毀損になってしまうことがあります。名誉毀損とは、公然と、事実の摘示によって他人の社会的地位を低下させる行為をすることです。名誉毀損は、書き込んだ内容が事実であっても成立します。そこで、ネット上で、相手をおとしめる書き込みをすると、名誉毀損となります。そして名誉毀損が成立したら、それは民事上の不法行為となるので、相手から損害賠償請求をされてしまいます。
また、ネット上で相手のプライバシーを侵害した場合にも、やはり不法行為となります。2ちゃんねるで相手の私的な事実を書き込むと、相手から慰謝料請求をされてしまうおそれがあります。
刑事告訴されるおそれがある
2ちゃんねるで相手を誹謗中傷すると、それが犯罪になってしまうおそれがあります。具体的には、名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性があります。
先ほども説明したように、ネット上で相手をおとしめる投稿をすると、名誉毀損となります。名誉毀損は犯罪なので、名誉毀損が成立したら、相手はこちらを刑事告訴する可能性があります。そうなると、こちらは警察に逮捕される可能性がありますし、刑事裁判になるおそれもあります。裁判で有罪判決を受けたら、3年以下の懲役刑や50万円以下の罰金刑が下されるおそれがあります(刑法230条1項)。
また、事実の摘示ではない方法で相手を侮辱した場合には、侮辱罪が成立します(刑法231条)。この場合にも、相手が刑事告訴するおそれがありますし、名誉毀損と同様、警察に逮捕されて刑事裁判になる可能性があります。
このように、2ちゃんねるで無用に相手を誹謗中傷すると、刑事告訴をされて刑事事件になってしまうおそれがあるので、そのようなことのないよう十分注意が必要です。
早期に弁護士に相談すべき
2ちゃんねるでは、どうしても感情的になって自分を抑えられなくなり、書きすぎてしまうことがあります。こうした場合、すぐに削除することが重要ですが、それだけでは済まないケースも多いです。放っておくと、相手から慰謝料請求されたり刑事告訴されたりして、大きな不利益を受けるおそれがあります。
不利益を避けるためには、弁護士に相談して適切なアドバイスをもらうことが大切です。今、2ちゃんねるに無用な書き込みをして心配になっている人がいたら、一度早めに弁護士に相談をしましょう。