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ネットで誹謗中傷した犯人を逮捕してもらう条件を弁護士が解説

刑事責任

更新日:2024/01/22

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匿名掲示板やSNSで誹謗中傷されました。

とても不愉快ですし、身の危険も感じます。

投稿者を逮捕して、厳しく罰して欲しいのですが、どういう場合に逮捕されるのでしょうか?

逮捕してもらう方法なども教えてください。

誹謗中傷等に悩む企業や個人から3000件以上の相談を受け、迅速に解決してきた法律事務所「弁護士法人ATB」が、このような疑問にお答えします。

最後までお読み頂ければ、「匿名掲示板やSNSで誹謗中傷や業務妨害をした人が、どういう場合に逮捕されるか、また、そのために被害者が何をすべきか」ということが分かります。

先に結論を言うと、逮捕の理由と必要性、親告罪の場合は告訴、そして逮捕状がある場合に逮捕されます。

そして、告訴が必要な場合は告訴を、告訴が必要でない場合でもきちんと被害を申告する必要があります。

投稿者を逮捕してもらう条件

・SNS(X (旧Twitter)・YouTube(ユーチューブ)・Instagram(インスタグラム)など)

・匿名掲示板(5ちゃんねる(5ch)・ホスラブ(ホストラブ)・爆サイ.comなど)

・Googleマップの口コミ

・転職サイト

・ブログ

こういった場所での、誹謗中傷や業務妨害が後を絶ちません。

そのような投稿者を逮捕してもらうには、大まかに次の4つが必要です。

①逮捕の理由があること

②逮捕の必要性があること

③親告罪の場合は告訴があること

④逮捕状があること

※上記要件は、通常逮捕に関するものです。他にも現行犯逮捕と緊急逮捕がありますが、ネットの書き込みで想定されるのは通常逮捕です。

①逮捕の理由があること

逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある」ということです(刑事訴訟法199条1項本文)。

そのためには、その投稿が犯罪に当たり、しかも被疑者がその投稿をした可能性が高いことが必要です。

たとえ不愉快な書き込みでも、その投稿が犯罪に当たる可能性が低ければ逮捕されません。

また、明らかに犯罪に当たる投稿があっても、「その人が投稿した」という可能性が低ければ、その人は逮捕されません。

どういう投稿が、どういう犯罪に当たり得るかは、下記記事で解説しています。

②逮捕の必要性があること

逮捕されれば身体拘束され、場合によっては退学や解雇になったり、実名や顔が報道されることもあります。

ですから、たとえ①の条件が満たされても、逃亡や証拠隠滅のおそれがないなど、明らかに逮捕の必要がない場合は逮捕されません(刑事訴訟法規則143条の3)。

さらに、比較的軽微な犯罪(三十万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪)については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由なく捜査機関からの出頭要請に応じない場合に限って、逮捕が認められます(刑事訴訟法199条1項但書)。誹謗中傷関連でいうと、侮辱罪がこれに当たります。

③親告罪の場合は告訴があること

犯罪の中には、告訴がないと罰することができない「親告罪」と、告訴がなくても罰することができる「非親告罪」があります。

告訴とは、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求めることです。

誹謗中傷でよく問題となる名誉毀損罪・侮辱罪は、親告罪です。

逮捕は、最終的には起訴するための準備です。

ですから、名誉毀損罪・侮辱罪で逮捕してもらうには、告訴が必要です。

また、告訴期間は犯人を知ってから6ヶ月であるため、この期間内に行うよう注意して下さい(刑事訴訟法235条1項)。

告訴の具体的方法や告訴後の刑事手続の流れは、下記記事で解説しています。

他方、脅迫罪や業務妨害罪は親告罪ではないので、告訴がなくても逮捕することは可能です。

ただ、警察が常に見張って、積極的に動いて逮捕してくれるとは限りません。

ですから、非親告罪であっても、警察に相談したり被害届を出す方が、逮捕される可能性は高まるでしょう。

④逮捕状があること

逮捕状は、裁判所が逮捕を許可する場合に発行するものです(刑事訴訟法199条1項本文)。

逮捕するには、この逮捕状が必要です。

逮捕されなくても、刑罰を科すことはできます

上記のとおり、逮捕には色々な条件が必要です。

投稿が明らかに犯罪に当たり、投稿した人が分かっていても、逮捕されない場合も当然あります。

しかし、刑罰を科すために、逮捕が必要なわけではありません。

在宅のまま捜査・起訴され、有罪判決を受けることもあります。

逮捕される確率は?

被害者が、「逮捕して欲しい!」「刑務所に入れて欲しい!」「厳しく罰して欲しい!」と思う気持ちはよく分かります。

ただ、インターネット上の誹謗中傷などについては、まだまだ厳しい刑罰が科されているとは言えません。

たとえ刑罰を受けるとしても、前科もなくいきなり実刑になることは稀ですし、罰金や科料で済むことが多いです。

それどころか、警察が動いてくれず、刑罰を受けないというケースも多いです。

ですから、よほど執拗な誹謗中傷や、警備強化やイベント中止を招いた殺害予告や爆破予告などでない限り、逮捕される確率は低いというのが、当弁護士法人の経験から言えることです。

損害賠償請求も可能です

ここまで刑罰について解説しましたが、それとは別に、慰謝料の支払いや営業損害の賠償を求めることは可能です。

投稿者が匿名の場合は、まずは発信者情報開示請求という法的手続きを使って、住所や氏名を特定することが必要です。

詳しくは、下記記事で解説しています。

投稿を削除したい場合

自分で削除依頼する場合

方法・コツ・注意点・削除依頼しても投稿が消えない理由・削除依頼のテンプレ(書き方の例文)は、下記記事で解説しています。

【注意】警察からは削除依頼はしてくれません

下記記事は5ちゃんねるに関するものですが、他の掲示板やSNSでも同じです。

誹謗中傷や業務妨害に遭ったら、一日も早く弁護士に依頼するのがオススメです

もしあなたが誹謗中傷や業務妨害に遭ったら、弁護士にご相談ください。

当弁護士法人では、投稿者の特定から損害賠償請求、投稿の削除、警察への被害届の提出・告訴も対応可能です。

初回無料の法律相談を受けておりますので、手遅れになる前にご相談下さい。

土日を含めできる限り迅速な対応を心がけております。

フォームで簡単!今 すぐ無料相談をする

公式LINEから相談内容を入力して頂ければ、自動で費用の見積もりが表示されます(そのまま無料相談の申込も可能です)。

まとめ

インターネット上で誹謗中傷や業務妨害をした人が、どういう場合に逮捕されるか、また、そのために被害者が何をすべきか解説しました。

誹謗中傷弁護士・藤吉監修のブログ

この記事の監修者

弁護士法人ATB

これまで、インターネット匿名掲示板等での『誹謗中傷』に悩む企業や人の相談を 3000 件以上受け、迅速に解決してきた弁護士事務所です。 「5ちゃんねる(2ちゃんねる)」「爆サイ」「ホスラブ」「X (旧Twitter)」など、数10種類以上のWebサイト、SNS、掲示板の投稿への削除依頼、発信者情報開示請求(投稿者の特定)等に、プロフェッショナルとして幅広く柔軟に対応しています。