数百人を特定した弁護士が語る「誹謗中傷する人」5つのタイプとは!?
先日、こういうツイートをしました。
今回は、こちらのツイートを深堀りして解説します。
我々「弁護士法人ATB」は、
・SNS(X (旧Twitter)・YouTube(ユーチューブ)・Instagram(インスタグラム)など) ・匿名掲示板(5ちゃんねる(5ch)・ホスラブ(ホストラブ)・爆サイ.comなど) ・ブログ |
こういった場所で、有名人・芸能人・一般人・会社などを誹謗中傷する人について、これまで数百人を開示請求して特定してきました。
そしてその経験から、おおよそ「誹謗中傷する人」には5つのタイプがあることが分かりました。
なお、匿名で誹謗中傷する人を特定するには、「発信者情報開示請求」という方法があります。
①価値観押し付けタイプ
自分の価値観を他人に強く押し付け、それが誹謗中傷になるタイプ。SNSに多いです。
「こうあるべき」「こうすべき」という価値観は、誰もが持っています。
そして価値観が違う人を見れば、腹が立ったり、一言言いたくなることもあります。
私もそうです。
でも多くの人は、本人に文句を言ったり、掲示板に書き込んだりしません。
ところが誹謗中傷する人は、それをやってしまうのです。
なぜかというと、自分が正しいと信じて疑わず、全く悪いと思っていないからです。
もちろん、匿名であるからこそやりやすいという面もあります。
・人それぞれ価値観は違う ・相手が傷付くかもしれない ・自分の理解不足かもしれない |
そういう想像ができず、「自分は正義で、間違っている人を正すのは当然」と考えてしまうのでしょう。
それが誹謗中傷に当たるとも思っていないし、まさか損害賠償責任を負うとも思っていないのです。
このタイプは開示請求で自分の個人情報が開示されたとしても、裁判官が間違った判断をしたとまで思い込むタイプです。
②自己承認欲求タイプ
誰かを叩くことで、その発信に対して周りから称賛され、それが気持ち良くなってエスカレートしていくタイプ。
匿名掲示板などに多く、価値観押し付けタイプとの複合型が多いです。
周囲の注目を集めるために、過激なことを言ったり、不正確な情報を真実のように流したり、虚勢を張ったりするのです。
このタイプは、私生活で人に褒められる機会が少なかったり、コンプレックスを抱えている方に多い印象です。
現実社会で満たされない自己承認欲求を、ネット社会で、しかも誹謗中傷することで満たそうとするわけです。
誹謗中傷で一度称賛される経験をすると、麻薬のように次々欲しくなり、エスカレートするのが人間の怖いところです…。
周囲も「良いこと言った」などと助長することで、それがエスカレートしいわゆる炎上に繋がることもあります。
③かまってちゃんタイプ
相手の関心を買いたくて、わざわざ誹謗中傷するタイプ。
好きな人の気を引きたくて意地悪したり、親の気を引きたくて子供が悪いことをするのと似ています。
先程の自己承認欲求タイプは、誰かを叩くことで、「周囲の関心」を買いたいタイプ。極論すれば、叩く相手は誰だって良いのです。
一方かまってちゃんタイプは、周囲ではなく「誹謗中傷する相手の関心」を買いたい点が違います。
多くの人は、「誹謗中傷すれば相手に嫌われるでしょ」と分かります。
ところがこのタイプは、それに気付いていません。
むしろ、「自分はその人の1番の理解者」と誤解している人も多いくらいです。
下手するとストーカーになりかねないので、要注意です。
④復讐タイプ
単に仕返しのために誹謗中傷するタイプ。
商品に欠陥があったこと、相手がミスをしたこと、店員の態度が悪かったこと等に対してキレて、誹謗中傷する人が多いです。
つまり自分が被った損や不満を、誹謗中傷という形でぶつけてしまうわけです。
先程の価値観押し付けタイプは、そもそも人によって考えが違う事柄を、自分が絶対的な正義かのように押し付けるタイプです。
一方復讐タイプは、結局は価値観を押し付けているのですが、言ってること自体は割とまともなことが多いです。
ただ、やり過ぎなのです。
商品に欠陥があれば返品や交換を求めたり、接客態度が悪ければ苦情を入れることはあるでしょう。
ところが接客態度の悪い店員について、人格攻撃や差別的な投稿をすれば、それはもう誹謗中傷です。
このタイプは、普段は大人しく、真面目な人が多い印象です。
普段から真面目にやっているからこそ、相手に非があるという免罪符を与えられた瞬間、豹変してしまうのです。
正当な批判はもちろん表現の自由として許されますが、相手に面と向かって言えるのかをよく考えて、思いやりを持って書き込みをするように注意してください。
⑤同僚蹴落としタイプ
ライバルの容姿等を誹謗中傷して精神的ダメージを与えたり、交際関係等のプライバシーを暴露して周囲からの評価を下げるパターン。
執拗な誹謗中傷をされて、発信者情報開示請求で特定したら、実は同僚だったケースは結構あります。
水商売や風俗業界に多いですが、時には普通の職場でも起こっています。
同僚が良い成績を上げたり、人気者だったりすると、嫉妬してしまうのは人間なので仕方ありません。
その嫉妬をバネに努力できれば良いのですが、誹謗中傷する人は、相手を落とすことで自分が上に立つという安易な方法を選んでしまうのです。
人間の嫉妬は恐ろしいもので、このタイプは執拗かつ悪質な誹謗中傷が多い印象です。
誹謗中傷する人は、決して別世界の人ではない
「誹謗中傷する人」は、暴力的で、非人道的で、自分とは全く異質の人間だと思うかもしれません。
でも、決してそんなことはありません。
正義感・自己承認欲求・嫉妬心など、誰もが持っている感情や欲求が、何かのきっかけで誹謗中傷につながってしまうのです。
つまり、誰もが「誹謗中傷する人」になってしまう可能性があると思っています。
「悪質な誹謗中傷の犯人を特定してみたら、普段は普通に社会で生活している人だった」というのは、よくあることです。
あなたが毎日顔を合わせている同僚、あなたが付き合っていた交際相手、そういう人が、「誹謗中傷する人」かもしれないのです。
誹謗中傷被害に遭ったら、弁護士に相談するのがお勧め
以上ご紹介したとおり、誹謗中傷する人というのは、率直に言うと「身勝手な人」です。
皆さんがどれだけ注意しても、被害に遭う時は遭います。
もし被害に遭った時は、一人で抱え込んだり感情的にならず、早めに弁護士に相談して下さい。
感情的に反論して誹謗中傷が酷くなったり、悩んでしまってメンタルをやられる人も珍しくありません。
当弁護士法人では、投稿者の特定から損害賠償請求、投稿の削除、警察への被害届の提出・告訴も対応可能です。
また、土日を含めできる限り迅速な対応を心がけております。
初回の相談は無料ですので(書き込みを行った本人は除く)、一度ご相談下さい。
公式LINEから相談内容を入力して頂ければ、自動で費用の見積もりが表示されます(そのまま無料相談の申込も可能です)。
まとめ
「誹謗中傷する人」の正体を数多く特定してきた経験から、「誹謗中傷する人」の5つのタイプをご紹介しました。