X(旧Twitter)の基本的な使い方とトラブル解決手段を解説
ツイッターとは
まず、「ツイッターとはどんなものか」「どう使うのか」を見ていきましょう。
ツイッターの歴史と基本
ツイッターは、2006年の3月から始まったサービスです。アメリカで誕生し、2008年に日本語版サービスが開始されました。2018年の時点で、日本国内のの月間アクティブユーザー数が4500万人に達したとされています。
ツイッターは、わずか140文字(日本や韓国、中国語など2バイト文字の制限。2017年よりアルファベットやキリル文字など1バイト文字では280文字まで書くことができる)で気軽に「呟ける」ものとして広まっていきました。
写真やURLを載せることもできるため、多くの人に受け入れられています。ある時は趣味の友達との共通の会話のために、ある時は災害情報を知るための手段として、ある時は自分のことを宣伝するための手段として、公的機関から個人にいたるまで、幅広い範囲で利用されています。
ツイッターの使い方・基本編
ツイッターの登録方法は簡単です。
1.名前
2.メールアドレス
3.パスワード
4.ユーザー名
を入れるだけで簡単に登録ができます。
スマートフォンならばアプリとWEBプラウザ、パソコンならWEBプラウザで登録するのが一般的でしょう。なお、「より見やすく・より使いやすく」ということで、公式以外のクライアントアプリやソフトウェアを使うこともできます。
ツイッターの使い方・応用編
ツイッターは、基本的には、「ログインして、自分がフォローしているアカウントや興味を持っている情報源を見ていく」SNSです。
ツイッターには独自機能があり、これを応用することでさらに便利に使うことができます。
・リスト管理・・・フォローしている人をリストに登録することができます。例えば複数のリストを作成し、カテゴリーごとに分ける方法。そのリストにいけば、そこに追加したメンバーだけのタイムライン(リアルタイムのつぶやき)を見ることができます。
・トレンドワード・・・スマホならば虫眼鏡マークとして、パソコンならばサイドに「おすすめトレンド」として表示されます。現在人気のある話題を見ることができます。
・ハッシュタグ・・・単語の冒頭に半角の「#」をつけてつぶやくと、関連する話題のみを表示することができるようになり、テーマに興味を持っている人に見つけてもらいやすくなります。
・ブロック・・・相手からのフォロー等を強制的にできなくする方法です。まだフォローされていない段階で行えば相手は自分をフォローすることができず、またフォローされている場合は相手からのフォローを一方的に切ることができます。
ただし、自分側からも相手の投稿が見られなくなるので使用には注意が必要です。
ブロックを解除すると閲覧・再フォローが可能になりますが、解除したフォロー状態は元には戻りません。通知は特に相手に届くことはありませんが、ブロックされた相手があなたのホームにいくと「ブロックされています」と出るため、設定されていることはわかります。
・ミュート・・・フォロー状態を維持したまま、相手をタイムラインに表示させなくする方法。相手に通知が行くことはなく、相手は自分のつぶやきを見ることもできます。相手の発言を自分のタイムラインで見たくないときに便利です。
・見るだけでよい場合・・・ツイッターには、アカウント登録・ログインしなくても投稿を見ることができるという特徴があります。ただし、鍵のかかっているアカウント(非公開アカウント)の投稿は、そのアカウントのフォロワーでなければ見ることができません。
ツイッター事件簿
ツイッターは気軽なツールですが、その分さまざまな問題も起こっています。
炎上
人種差別や誹謗中傷、不謹慎な発言が見つけられ、あっという間に拡散、炎上(収拾がつかない状態になること)することがあります。
個人の場合でも問題になりますが、企業の場合も大きな問題になることがあります。たとえば、ディズニーの公式アカウントが、2015年8月9日に投稿した「特別ではない日を祝うツイート」は、同日が長崎原爆投下の日であったことから多くの人から不謹慎と受け取られ、炎上しました。
バカッター
一般に言われる「バカッター」も、炎上の一種です。以前、新聞やテレビのニュースで、コンビニエンスストアのアルバイト店員がアイスケースの中に寝そべるなどの画像が取り上げられ、大きく騒がれたことがありました。
ツイッターは個人情報の宝庫であるため、そこからそのアルバイト店員の身元や所属組織(学校)などが特定され、解雇や退学といった措置がとられることもあります。
情報漏洩
個人のアカウントで他者の個人情報やプライバシーを制限なく述べることは問題がありますが、企業およびその社員がこれをしてしまうとより大きな問題となります。
たとえば、漏らすべきではない情報を誤って漏らしてしまったり、顧客の個人情報を漏らしてしまったり……という問題です。
これらはユーザーの不信感を招き、企業への信頼感の失墜、場合によっては不買運動などに繋がりかねません。
プライバシー侵害
ホテルやレストラン、店舗に芸能人やスポーツ選手、政治家など著名人が来店した際に、それを従業員がツイッターに投稿することによるプライバシー侵害が問題になることがあります。断り無く撮った写真の添付や時に誹謗中傷などを伴う場合もあり、炎上することもあります。
「ニセ診断サービス」にご注意!
ツイッターにはさまざまな「診断サービス」があります。これらのなかにはアカウント乗っ取りを意図したものなど非常に悪質なものがあり、個人情報が盗まれたり、意図しないつぶやきを勝手にしたりするものもあります。怪しい診断サービスは安易に利用しない方が良いでしょう。
個人情報漏洩
ツイッターを実名利用した場合、個人情報が流出しやすくなるというリスクがあります。
匿名利用の場合でも顔写真など身バレにつながるような画像を載せることは危険ですし、勤務先や住所が分かるようなツイートや画像をうかつに投稿することはリスク回避の視点から避けた方が良いでしょう。特に鍵がかかっていないアカウント(公開アカウント)の場合、全世界に対して瞬時にプライバシーをバラまくリスクがあることを忘れてはいけません。
逮捕・犯罪
災害(地震・台風・大雨など)」が起きた際に「動物園の動物が逃げた」といったデマの情報を流して混乱を引き起こしたり、脅迫行為をしたりした人が、実際に逮捕される事件が起きています。
また、ストーカーがツイッターを利用して被害者の居場所を特定しようとするなどの動きも見られます。「拡散希望・●●さんを探しています……」のようなツイートは、リツイートであっても罪に問われることがあるため、安易にリツイートしないことをおすすめします。
ツイッターで困ったら…トラブル解決FAQ
ここからは、「ツイッターで困ったときにどうすれば良いか」を考えていきましょう。
ツイッターで困ったら
まずは、「自分でどうにかできる範囲の『困った!』への対策」から見ていきましょう。
相互フォローアカウントで一度に大量にツイートする人がいるのでブロックしたい
ブロックでも良いのですが、ブロックをすると相手に知られてしまいます。それが嫌ならば、ミュートやリスト化で対応するとよいでしょう。なお、「個人のつぶやきは好きだが、リツイートが多い」という場合は「リツイートのみ非表示」も可能です。
ツイートに反応がないか気になって頻繁にツイッターアプリを見てしまう
ツイッターは気軽なツールであり、すぐに反応が返って来るツールでもあります。そのため気になって頻繁にツイッターを見過ぎてしまうという人もいます。
このような場合、1日に使う時間を制限したり、スマホからツイッターを消してパソコンでのみ見たりするようにするなどの対策をとるとよいでしょう。
なお、「DMなどでやりとりしている」「リプライには気づきたい」という場合、DMやリプライの通知だけをオンにするようにするとよいでしょう。
ツイッターアカウントが凍結されてしまった
「良くないツイートをした」「企業公式アカウントの年齢設定に起業3年目だったので年齢を3歳と設定したら、ツイッターの年齢制限によりアカウントを凍結されてしまった」「いやがらせでツイッター運営にスパムアカウントとして報告された」などのようなケースで、アカウントが凍結されてしまうことがあります。
この場合は、凍結された原因によって取るべき対策が異なります。ただ、基本的には、運営の指示に従っていくことになります(なお、「携帯電話の入力」などで簡単に解決する場合もあります)
https://help.twitter.com/ja/managing-your-account#suspended-accounts
ツイッターアカウントが乗っ取られてしまった
一部の個人情報抜き取りを目的とした危険な診断メーカーを使ったためにアカウントと乗っ取られてしまった、あるいは他のSNS等からパスワードが流出し同じパスワードを使い回ししていたツイッターも乗っ取られた、などの事例があります。
このような場合は、まずはパスワードのリセットをリクエストしてください。新たなパスワードで入りなおし、当該ツイートを削除―サービス認証を取り消します。
パスワードリセットができない場合は運営に問い合わせをしてください。
https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/forgotten-or-lost-password-reset
ツイッターで他のアカウントから迷惑を受けている場合
ここからは、「相手のアクセスに困っている」という場合の解決策について見ていきましょう。
なお、他のアカウントから嫌がらせや粘着されている場合、できる限り、それらのツイートをスクリーンショットやPDF、プリントアウトしておき証拠を残して置くことをおすすめします。仮に誹謗中傷やプライバシー侵害等で刑事告訴、損害賠償で民事訴訟などの場合、重要な証拠になるからです。
また、トラブル発生に伴って警察や弁護士に相談する場合は、トラブル発生からできるだけ速やかに行うようにしてください。これはインターネットプロバイダへの接続記録は23ヶ月程度しか保存されず、それ以上時間が経ってしまうと、加害者の特定が非常に困難になるためです。
ネットストーカーらしいアカウントに粘着されて困っている
ブロックが最適解です。「それほど重度ではない」「リアルな付き合いのある人だ」という場合は、ミュートか徹底的な無視ですませましょう(ただしミュートにしていてもリプライは届きます)。もし犯罪の危険があるようでしたら警察に相談しましょう。
攻撃的なツイートを行うアカウントに対処するには
ブロックかミュートで対応します。目に余る場合は、証拠を保全し運営に通報をします。あなた個人への脅迫を含む場合は、警察や弁護士への相談も有用です。
ツイッターでトラブルになり「会って話そう」と言われた
「趣味で繋がってずっと話しているので、複数人で集まってオフ会をする」という場合は危険性は少ないのですが、すでにトラブルになっていて、かつ「会って話しあいをしよう」と言われたときは危険性が高いので会わずにブロックをしましょう。
金銭的な話でもつれている場合などで、どうしても会う必要があるときは弁護士などに同伴してもらうとよいでしょう。
「個人情報を特定した」と言われてとても不安
単なる脅しの場合もありますが、事実の場合もあります。証拠を保全した上で、警察や弁護士に相談をしてください。
自分の子ども(未成人)がツイッター上の成人アカウントにヌード画像を送っているようだ
迷わずに、すぐ警察や弁護士に相談をしてください。また、子どものスマホ利用を制限してください。一度送ったヌード画像は、リベンジポルノなどの危険性もあり、非常に危ないものです。
「あなたのツイートで誹謗中傷・名誉毀損を受けたので損害賠償請求を行う」と言われた
実際にそのような事実があったのなら、過去のツイートを保存・調査します。相手の言い分が正当であった場合は、裁判も覚悟しなければなりません。
身に覚えがない場合は、基本的には放置で構いませんが、続くようならば、警察や弁護士に相談してください。
他人のツイートをRTしたら、そのツイートで批判された人から名誉毀損で訴えるといわれ、開示請求が届いたが無視しても大丈夫か
RTであっても、発言者同様法的責任を問われる可能性もあります。このため、相手の請求に基づき、真摯に対応をしていかなければなりません。「RTひとつで……」と思われるかもしれませんが、RTしたことで相手の社会的な信用を落とすことも十分考えられます。また後で「誤解だった」と分かっても、広く知れ渡ってしまったツイートを回収することはできません。
周りから、故なく名誉を毀損された人は、非常に思い悩みますし、個人情報を特定されて危険な状況に置かれることもあります。RTとツイートには十分に気を付けるべきです。
ツイッターで迷惑を掛けた場合
企業・個人に対して誹謗中傷・名誉毀損のツイートをしてしまった
発言直後であり、かつだれにも反応されていないのであれば、削除―お詫びで事が済む場合が多いでしょう。
しかしRTで拡散されたり、相手から開示請求や損害賠償請求が行われた場合は、自分だけで対応するのは困難です。弁護士に相談しましょう。また何よりもツイートする前に、「自分がこのようなことを言われたらどう思うか」を先に考えてください。
勤務先の機密情報をツイートしてしまった
「知られなければ良い……」とは思わず、必ず上司や法務担当者に相談してください。放置をしていたらいずれ露見しますし、その時のダメージは計り知れません。
また、仮に鍵アカウントでフォロワー数も少なければあまり問題にならないと思いがちです。しかしそのような状況でもフォロワーにスクリーンショットを撮られ、そのアカウントのフォロワー経由で広範囲に拡散される場合があり、大きな問題となる可能性は十分にあります。速やかに上司や法務担当者に相談してください。
有名人の来店をツイートしてしまった
発言直後であればまずは削除をします。なお、上の「勤務先の機密情報をツイートしてしまった」の事例同様、鍵アカウントでのツイートであってもスクリーンショット等で広範囲に拡散される可能性があります。速やかに上司や法務担当者に相談してください。
まとめ
ツイッターは非常に気軽なツールですが、そのぶん、個人情報やプライバシーでのリスクのある一面があります。
アカウントに鍵がかかっている状態でも気を付けるべきですが、鍵がかかっていない場合は「常に全世界に向けて情報を発信しているのだ」という意識を持っていたほうがよいでしょう。
発言やRTには十分に気を付けましょう。また、トラブルが起こった場合は、警察や弁護士などへの相談を視野にいれることをお勧めします。