誹謗中傷対策マニュアル
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2018.06.01

twitterなどSNS

リベンジポルノが拡散!被害を抑えるための方法を弁護士が解説

リベンジポルノで恐れるべき問題は『拡散』です。

いつも通り会社へ行ってみると、何だかみんなが自分のことを見てひそひそ話をしている。調べて見ると、自分の裸の写真がインターネットに載っていた…。しかも、それは匿名掲示板、Twitterのネタツイートなど複数のページにも拡散されていた。

このような被害が起こる可能性が極めて高いのが、リベンジポルノの恐ろしい部分です。

この項目では、リベンジポルノの拡散被害に対抗するための法律知識や事例などをご紹介します。

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リベンジポルノの意味と被害内容

リベンジポルノとは

リベンジポルノとは、元配偶者や元恋人などの裸の写真や動画などをインターネット上に流出させる行為のことです。いわゆる『ハメ撮り』をインターネット上に流出させることを指します。

インターネット投稿は、1つのページに掲載されたものが複数のページに転載、拡散されることが特徴です。リベンジポルノなどのセンセーショナルな投稿は、特に拡散の対象になりやすいのかもしれません。

顔写真だけでも危険

近年では、AI技術の発達によって、販売されているアダルト画像・動画に第三者の顔を合成する『フェイクポルノ』というものもあります。

国内でのフェイクポルノ被害はまだ報告されていません。しかし、インターネット上に地震の顔写真を掲載している方はいつ被害にあってもおかしくない状況にあるのが事実です。

おすすめ記事: リベンジポルノ被害の相談窓口とその選び方

リベンジポルノの被害事例

LINEで交際相手に送った動画が拡散

少女の裸動画拡散疑い 高校生ら14人書類送検、愛知 

 友人の少女(15)に自分の裸を撮影させ、その動画を無料対話アプリ「LINE(ライン)」で同級生らに送信し拡散させたなどとして、愛知県警は17日、いずれも県内在住の無職少年(16)と15、16歳の高校生の男女13人を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造、提供、公然陳列)などの疑いで書類送検した。

引用元: 日本経済新聞|少女の裸動画拡散疑い 高校生ら14人書類送検、愛知

殺人事件に発展した三鷹ストーカー事件

女子高生は「リベンジ・ポルノ」で二度殺された

なぜ今になって二審が?

三鷹ストーカー殺人事件――2013年10月8日に、18歳の女優の卵だった女子高校生が、かつて交際していた男性に自宅前で刺殺されて殺害された事件だ。

加害男性は、彼女の裸が写った画像をインターネットに流した後に事件を起こしたことから、「リベンジ・ポルノ」という言葉が広まり、翌年にはリベンジ・ポルノ防止法が成立した。

引用元: 現代ビジネス|女子高生は「リベンジ・ポルノ」で二度殺された

 

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リベンジポルノの法律と罰則

前掲の三鷹ストーカー殺人事件を契機に平成26年11月にリベンジポルノ防止法が成立しました。リベンジポルノ防止法という名称では耳にした方も多いでしょうが、正式名称は、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」という長たらしいものになっております。

リベンジポルノ防止法は、わずか6条から成り立っており、この法律の第3条において、規制の対象としているのが、:第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供すること(私事性的画像記録提供等、私事性的画像記録の公表)、同様の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列すること(私事性的画像記録物の公表)、私事性的画像記録提供等、私事性的画像記録の公表及び私事性的画像記録物の公表をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供すること(公表目的提供)です。

私事性的画像記録提供等、私事性的画像記録の公表及び私事性的画像記録物の公表については、いずれも3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するとされています。また、公表目的提供については、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処するとされています(いずれの罰則も、リベンジポルノの被害の大きさを考えれば、刑事罰として軽すぎるようにも思いますが。)。

なお、再三出てくる「私事性的画像記録(物)」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、「性交又は性交類似行為に係る人の姿態」「他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」「衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像を記録したものをいうとされています(同法2条)。

あえて、具体的な例は挙げませんが、ここでいう「私事性的画像記録(物)」というものが何を指すのかは、明らかだと思います。思い当たる節がある方は、今一度、ご自身の携帯電話の写真や動画、デジタルカメラの画像やビデオカメラの画像を確認し、お近くの法律事務所まで足を運んでみましょう。弁護士に見せること自体憚りますが、弁護士には依頼者を守るという使命があり、守秘義務も負いますので、堂々と見せつけてやれば良いのです。

その他、成立可能性のある犯罪の種類と罰則

簡単にではありますが、リベンジポルノをした場合に成立する可能性のあるその他の犯罪の種類及び罰則についてもご説明します。

まずは、名誉毀損罪(刑法230条1項)。公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金が科されます。具体的には、あなたの裸の画像を掲示板等に投稿する行為は、あなたの肉体造形という「事実」を掲示板という不特定多数の人が見る場に「公然」と「摘示」する行為ですので、それによって、あなたに対する社会的評価が下がったのであれば、「名誉が毀損された」のであるから、それ相応の罰が必須となるのでしょう。

次に、わいせつ物頒布等の罪(刑法175条)。わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科されます。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様です。性器が露出している画像などをネット上に公開することは、「わいせつな図画」を不特定の人に交付するという点で「頒布」に当たるので、同罪に該当します。

最後に、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(いわゆる「児童ポルノ法」)違反。被写体が18歳未満の場合には、裸の画像は児童ポルノに該当します。そして、これら画像を撮影(製造)する行為や、ネット上に公開(提供・公然陳列)することは同法違反になり、刑事罰の対象とされています(例えば、児童ポルノを不特定又は多数の者に提供した場合には、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はこれが併科されます)。守られるべき児童を保護する意味もあって、名誉毀損罪やわいせつ物頒布等の罪に比べ、刑罰が重く設定されています。

被害情報の把握が大切(公開された写真画像、動画、記事の掲載媒体の特定)

いずれにせよ、もしも自分の裸や性行為の動画等がネット上に公開されていたらどうすべきなのか。公開した相手に対する怒りは勿論ですが、そこはグッとこらえましょう。同意の下で撮影した画像等であれば、公開した相手はある程度把握できてはいるでしょうが、ここは我慢が必要です。下手に刺激をしてしまうと、更なる公開をしてくるかもしれませんし、少し勘違いしている相手であったら「誰かに見られていると思うと興奮するだろう?」などと自分の性的価値観を押し付けてくるかもしれません。

そこでまず何をすべきか。
ネット上の公開が確認された場合には、まずもって、公開された写真画像、動画、記事の掲載媒体を特定しておく必要があります。特定の方法は、公開されているネットのURLで特定する方法や、URLが載っている状態でスクリーンショットをするなどする方法が良いと思います。よく、自分の画像が載っているところだけをスクリーンショットなどして保存してくる人がいますが、それだと、自分の恥ずかしい画像を弁護士や警察に見せつけているのと変わりません。

これだと、弁護士などに相談した際に、
弁護士「それで、どのサイトに掲載されているの?」
相談者「元彼のブログです」
弁護士「そのブログはどれ?」
相談者「元彼の名前を入れれば確か出るはずなのですけど」
弁護士「出ませんよ」
相談者「おかしいなあ。昔のあだ名でブログやっていたかなあ」
弁護士「あだ名は?」
相談者「ぬらりひょんです」
弁護士「ないですね」
相談者「のびーの方かな」
弁護士「でませんね」

という風に、相談料だけ嵩んでいきます。
ですので、URLを必ず分かるようにした上で、スクリーンショットなどで残しておくようにすることが大切です。

一人でできる対策について

前掲の方法で被害情報を把握し保存したのであれば、拡散してしまう前に対外的な行動が必要となります。

元彼等、公開した相手が分かっている場合には、直接連絡をした上で、速やかに削除するように求めるという手もあります。ですが、関係性がこじれた状態で別れてしまっていた様な場合には、削除要請を機に拡散に走るかもしれませんので、相手方に対して直接削除要請をするのはお勧めしません。

そこで、次に考えられるのが、掲載されたブログなどを管理している運営会社に対して、削除要請をするという方法があります。具体的な方法は運営会社によって異なりますが、サイトによっては相談フォームなどが設けられておりますので、そちらから削除要請をするという方法が一般的でしょう。この場合、運営会社によっては、公開をした相手に対して、「削除要請が来ているが削除して良いか」という確認をするおそれもありますが、明らかに法律に抵触するような公開内容であれば、そのような確認なくして、運営会社自らの判断で削除をすることもあります。

しかし、忘れてならないのは、ブログに公開されたものは、いわゆるコピーであって、元のデータは、仮にブログから削除されていたとしても、未だ相手が保有しているということです。削除要請が来た、気付いたら勝手に削除されていたことを知った相手がどのような行為に出るかは想像に難くないでしょう。
ですので、基本的には、一人で出来る対外的行動は「無い」といっても過言ではないでしょう。

警察への相談について

ではどうするか。餅は餅屋。やはり、犯罪行為には警察が適任でしょう。速やかにお近くの警察署へ行くことをお勧めします。

そして、相談に行く際には、必ず保管した証拠(前掲5で記載したスクリーンショットの画像や元彼とのメールのやり取りなど)を持参し、証拠に基づいて経緯をお話しするのです。証拠なくして警察は動かないと考えた方がいいので、しっかりと証拠を持参することだけは肝に銘じておいて下さい。

その上で、被害届の提出や告訴をすることで、警察も重い腰を上げて捜査を開始してくれることになるかと思います。

弁護士への削除依頼について

弁護士への削除依頼についても、基本的には、前掲の「警察への相談について」と同様です。証拠をしっかり持参の上、場合によっては事前に時系列表なども作成の上、相談に行くとスムーズかと思われます。

警察と異なり、弁護士では強制的な捜査権限はありませんが、法的な主張をもって削除要請をすることで、相手方にとっても脅威にはなりますし(「弁護士から手紙が来たので、あいつは本気のようだ。損害賠償なんて請求されたらとてもじゃないけど支払えない。削除してしまおう。」となる余地があります。)、削除要請をした運営会社や被害報告をした警察も真面目に取り合ってくれる可能性が高くなります。

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元交際相手への対処方法について

同意の上で撮影したか、無断で撮影したかにもよりますが、直接削除要請をする場合には、しっかりと元のデータのみならず、複製したデータも削除したことを確認する必要があります。わずかながらでも信頼関係が残っているのであれば、任意で削除していただくよう丁寧に(本来的には丁寧に接する必要はないのですが、刺激することだけは避けましょう。)お願いすることも一つの手だとは思います。

他方、信頼関係が全くない場合には、無理に削除を要請するのは控え、警察や弁護士とも相談することをお勧めします。営業するつもりは毛頭ありませんが、元データという武器に対抗するには、法律という武器をもって制するのが、文明社会における正義のあり方なのです。

まとめ

リベンジポルノに遭った場合、一番恐いのは、リベンジポルノをした行為自体ではなく、その拡散にあると思います。60億人の人が、あなたの痴態を目にする可能性があるのですから。

ですので、まずはその拡散がなされる前に行動をすること。そのためには、内密に被害状況をしっかりと保管し、その上で、速やかに警察や弁護士に相談することが大切だと思います。

拡散がなされる前に元データの削除までスムーズに行うため、警察や弁護士であれば、元彼に対し、元データの削除を断れないようなオファーがきっと出せるはずです。

弁護士法人ATB
これまで、ネット上の誹謗中傷の相談を1000件以上受け、数十種類のサイトの記事の削除や特定を行ってきた弁護士事務所。
さまざまなサイトの対応を行うプロフェッショナル集団。