誹謗中傷対策マニュアル
MANUAL

公開日:2018.06.01 最終更新日:2019.08.29

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転職会議に会社の悪評を書かれた時の削除依頼方法

WEBサイトに自社の悪評を書かれたら、それを見た人は企業に対して悪い印象を持ちかねません。特に、企業に就職・転職をしようと考えている人が企業の誹謗中傷を見たら、優良な人材を逃す機会になりかねません。

今回は、WEBサイト、特に就職・転職希望者が多く利用している「転職会議」で自社の誹謗中傷をかかれた場合の対処法について触れていきたいと思います。

そもそも転職会議とはどのようなサイト?

転職会議とは、株式会社リブセンスという会社が運営している、企業情報や就職・転職に関するクチコミ情報を提供しているウェブサイトです。転職会議のデータベースに入っている企業データ・従業員のクチコミ・評価点数は60万社を超えるといわれており、2016年6月末現在のクチコミ掲載数は771万件、累計会員登録者数は404万人と、サイト規模・会員数ともに順調に成長しています。

ここまで利用者が増加している背景には、転職会議に掲載されるクチコミが影響していると考えられています。企業の情報は外に出るとき「この世の中にこれ以上の素晴らしい企業はない」というほど美しい情報に加工されます。しかし、会社に入ってみると実情は異なり、在籍している人からは「あの情報は外向けだから」と言われるケースがほとんどです。とはいえ、企業の実情は外に出ることなど稀です。

転職会議は「企業を知る人による企業の実情」という希少価値の高い情報をクチコミとして就職・転職希望者に提供することで、就職・転職希望者が知りたいと思っている「生の情報」を知ることができるサイトとして、好評を得ているのです。

転職会議に蔓延る「誹謗中傷の書き込み」

クチコミには色々な種類があります。企業の内情を知ることができる「本当の内容」もあれば、「そんな事実はどこにもない」というような誹謗中傷の書き込みもあります。企業側としては真実と異なる書き込みは企業イメージを損なう原因となるため、何としてでも避けたいところです。もしも、企業にとってマイナスイメージの強い書き込みがなされた場合、対応策はあるのでしょうか?

転職会議に掲載された内容を企業は削除できる?

転職会議で示されているガイドラインによると、クチコミをした本人以外から掲載内容を削除してほしいという旨の依頼については、投稿の内容が転職会議が定めた利用規約に抵触するか、そもそも法令に抵触しているかという確認が取れない限り、受理できないとの記載があります。

このように書かれてしまうと、企業側の依頼によるクチコミ削除依頼が無理なのかと思われるかもしれませんが、実態を見てみると、「このクチコミは公平ではないのではないか」という内容について、ある一定のルールを基に削除がなされるケースがあるようです。

例えば、

・企業内の特定個人が分かるようなクチコミ
・企業や企業内で働く人に対して誹謗中傷をするようなクチコミ
・転職会議で定められている企業の売上実績・年収・評判・入社するために必要な対策といったカテゴリーから大きく逸脱する内容
・転職会議を閲覧したユーザーに不快感を与えるような投稿

などについては、転職会議に掲載されたクチコミ内容を削除できたという実績があります。

転職会議にクチコミをした人を特定することはできる?

転職会議に投稿されたクチコミによって企業価値を大きく傷つけられたという場合、プロバイダ責任制限法を活用して、運営会社である株式会社リブセンスに対して「発信者情報開示請求」をすることができます。

ただし、株式会社リブセンス側にとってこの要請は任意対応なので、応じないケースがあります。その場合には、裁判所を活用します。裁判所に対して仮処分を申し立てることによって「発信者情報開示命令」を出してもらい、株式会社リブセンスから投稿者が投稿に利用したプロバイダのIPアドレスを開示してもらうのです。]

そして、判明したプロバイダにも信者情報開示請求をして投稿者を割り出します。ただし、プロバイダも容易に投稿者の情報を提供しないケースがあるので、必要によっては、裁判所で訴訟を起こして、発信者情報開示請求(本訴訟)をします。

ここまでの流れを自社だけで対応することは困難かもしれませんが、弁護士のような専門家の知識と経験を活用することによって、事実誤認のクチコミを削除することは明確な証拠すら揃っていれば可能です。

まとめ

転職会議で自社にとって不利益な投稿を見かけた場合には、自社のみで解決しようとするのではなく、弁護士はじめ専門家の知識と経験に頼る手段もありえるということを覚えておいて頂ければ幸いです。