誹謗中傷対策マニュアル
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2018.07.20

投稿者の特定

発信者情報開示請求とは|概要・手続き・弁護士費用

発信者情報開示請求とは、インターネット上の投稿によって損害が発生した場合、書き込みなどをした相手(発信者)の情報の開示を求める手続きです。

SNSや掲示板の書き込みによって、誹謗中傷を受けたり損害が発生したりした場合、発信者情報開示請求を行うことで相手を特定し、損害賠償請求を行うことが可能になります。

この記事では、発信者情報開示請求の制度概要や手続き方法、弁護士費用などについて分かりやすく解説していきます。

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発信者情報開示請求とは|制度概要と仕組み

webページを閲覧する際には、キャリア回線やプロバイダを経由してインターネットにアクセスする必要があります。プロバイダには、利用者のIPアドレスやタイムスタンプが記録されており、それにより個人を特定することができます。

発信者情報開示請求とは、インターネット上で個人や会社などに対する誹謗中傷が行われた場合に、発信者情報の開示をプロバイダに請求する手続きです。

この項目では、発信者情報開示請求の手続概要や仕組みについてご紹介します。

ネット上の誹謗中傷の発信者を特定できる

通常、インターネット上の “書き込み” は匿名性が守られているため発信者を特定することは困難とされています。

しかし、実際はインターネットを利用する際、サイトやプロバイダにIPアドレスやタイムスタンプなどの情報が記録されているため、情報の開示請求を行うことで発信者を特定することができます。

発信者情報の開示は、誹謗中傷による損害賠償請求だけでなく、犯罪に利用された場合にも行われています。

※  IPアドレス…端末を接続した箇所を示すもの

※  タイムスタンプ…webページにアクセスした時間を記録したもの

 

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発信者情報開示請求はサイト管理者・プロバイダに対して行う

発信者情報開示請求は、まず書き込みや投稿が行われたサイトの運営者に、発信者のIPアドレスやタイムスタンプを請求します。

そして、これらの情報を元にプロバイダを特定し、発信者の個人特定をします。

悪質な場合は発信者に刑事責任が問われる

書き込みによって利用者が利益侵害をうけた場合に、利用者はプロバイダに対して発信者情報開示請求ができます。

その情報をもとに誰が書き込んだのかを特定することができるのです。書き込みが悪質なものであった場合、書き込みをした人(発信者)は威力業務妨害や脅迫、名誉毀損などの刑事罰が問われる可能性もあります。

また、書き込みによって被害者に損害が発生した場合は、その損害の賠償責任が生じるケースも考えられます。

発信者情報開示請求の方法と要件

発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法4条による権利です。

第四条 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下「開示関係役務提供者」という。)に対し、当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の開示を請求することができる。

引用元: 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

この項目では、発信者情報開示請求の要件と方法についてご紹介します。

発信者情報開示請求ができる4つの要件

発信者情報開示請求を行う場合は以下の要件が満たされていなければなりません。

  • インターネットの書き込み・投稿などに起因する案件か
  • 請求をした相手がサーバーやサイトを管理する者か
  • 書き込み・投稿によって権利を侵害された被害者がいるか
  • 開示請求に正当な理由があるかどうか

書き込みや投稿によって、名誉が毀損されたり損害が発生する場合は、通常は正当な理由があるといえるでしょう。

任意開示|プロバイダに協力依頼

任意開示とは、発信者情報開示請求をサイト運営者やプロバイダなどに直接、書面で依頼する方法です。書面を作成して送付すればできるので、比較的容易に手続きをすることができます。

ただし、任意開示はあくまでもサイト運営者やプロバイダにたいして『任意』で情報開示を請求するものです。そのため、運営側やプロバイダが情報開示を拒否することもあります

なお、任意開示は弁護士に依頼した場合、弁護士名義での書面を送ることができます。弁護士名義で書面送付を行うことで、サイト運営者やプロバイダの協力をより促すことが可能となります。

発信者情報開示請求裁判|裁判所による仮処分

ここでいう、法的措置とは裁判によって相手に開示請求の仮処分を行うことです。

サイト運営者に対し、裁判所から書き込みをした相手の情報を開示するよう判断を下します。

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発信者情報開示請求の4つの手続き方法

この項目では発信者情報開示請求の手続きについてご紹介します。

開示請求をするための証拠を集める

任意開示や裁判による情報開示請求には『正当な理由』が必要になります。

例えば

  • 具体的な事実が書かれた投稿により損害が生じた「部長のAさんと秘書のBさんがラブホテルに入った所を見ちゃった」など
  • 誹謗中傷が名誉毀損に当たる
    「アイドルのC、本当は性格が悪くてスタッフからも嫌われている」など

このような悪質な書き込みによって名誉を怪我され、離婚に至ったり仕事が来なくなったりした場合、正当な理由があるとして開示請求をすることができます。

サイト運営者に任意開示を求める

まず、サイト運営者に発信者のIPアドレスの開示請求を行います。

開示請求は、サイト運営者宛に書面で送付します。なお、問い合わせフォームなどがある場合は、そのフォームから情報開示の依頼をします。

このとき、任意開示の協力が得られない場合は、法的措置(裁判)に移行することになります。

プロバイダに任意開示を求める

サイト運営者から、書き込んだ相手のIPアドレスが送られてきたら、そのIPアドレスからどのプロバイダ会社を利用しているか特定します。

その後、プロバイダ会社宛に発信者情報開示請求(契約者の氏名や住所などの情報)の書面を送付します。

もっとも、プロバイダに対する任意の発信者情報開示請求については、プロバイダから契約者に対し、情報を開示しても構わないかどうかの照会が行われます。

この場合、契約者はプロバイダに対し開示を拒否するとの意見を述べることが多いため、プロバイダが任意で発信者の情報(契約者の氏名や住所)を開示することは少ないのが実情です。

拒否された場合は法的措置を検討する

サイト運営者やプロバイダに任意開示を拒否された場合は、法的措置を行います。

ここでいう法的措置とは、裁判のことです。裁判所から命令または判決という形で、サイト運営者やプロバイダに対し情報開示を促してもらいます

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発信者情報開示請求は専門家に相談

発信者情報開示請求は、任意開示など個人で解決策を講じることも可能です。ただし、任意開示などはプロバイダが協力してくれなければ、拒否されることも考えられます。

そのため、弁護士名義による書面の送付などが有効な場合もあります。

発信者情報開示請求を弁護士に依頼した場合の費用

発信者情報開示請求を弁護士に依頼した場合の費用は、任意開示で10万円〜15万円程度。裁判による開示請求(仮処分)を行う場合は、30万円〜40万円程度かかります。

なお、弁護士事務所によっては『相談料無料』または『着手金無料』と設定している場合もあります。弁護士に問題解決の依頼をする場合は、相談時にご自身の予算も含めて費用について話し合うことをおすすめします。

おすすめページ: 誹謗中傷ドットネットの弁護士費用

相談料

相談料は、電話やメール、事務所に直接行き相談する際にかかる費用です。

弁護士の相談料はタイムチャージ制を採用している事務所が多く、30分ごとに5,000円〜1万円かかります。

着手金

着手金とは、弁護士に問題解決を依頼する際に支払う費用です。プロバイダに任意開示を依頼する場合の着手金は5万円〜10万円程度です。

なお裁判による開示請求(裁判)を行う場合は20万円〜30万円程度となります。

報酬金

報酬金とは、依頼者によって納得のいく解決結果となった際に弁護士に支払う費用です。

任意開示では、15万円程度。裁判による開示請求(仮処分)を行う場合は15万円〜20万円程度になります。

実費

このほかに、裁判を起こすための手数料、弁護士の日当、裁判所までの交通費などがかかります。

実費は、その都度発生することもあるため、あらかじめ予算や費用などを話し合う際に話し合っておくことと良いでしょう。

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まとめ

インターネットは『匿名性が高い』というイメージがあることから、「何をしてもいい」「何を言ってもいい」と思う利用者もいます。しかし、インターネットは完全に匿名ではありません。発信者情報開示請求をすると、利用者を特定し、きちんと損害を請求できるようになります。

この記事で、発信者情報請求に関する疑問が解消されれば幸いです。

弁護士法人ATB
これまで、ネット上の誹謗中傷の相談を1000件以上受け、数十種類のサイトの記事の削除や特定を行ってきた弁護士事務所。
さまざまなサイトの対応を行うプロフェッショナル集団。