誹謗中傷対策マニュアル
MANUAL

公開日:2018.07.24 最終更新日:2019.05.30

Twitter(ツイッター)

Twitterのなりすまし特定方法とバレる3つの理由

Twitterのなりすましは、自分のアカウントを装い、名誉毀損や詐欺などの危険性がある問題です。なりすましをした相手は、発信者情報開示請求などで特定することができ、被害を受けた場合は損害賠償請求ができることもあります。

Twitterのなりすまし問題は、芸能人や企業だけでなく、個人でも行われ誹謗中傷や名誉毀損などの被害が話題となっています。

ツイッターで生徒になりすまし中傷 男性教員を停職3カ月 「生徒から注目されたかった」

 埼玉県北本市の市立中学校の男性教員(28)がツイッターで同校の男子生徒になりすまして特定の女子生徒の容姿を中傷するなどの不適切な書き込みをしていた問題で、同県教育委員会は25日、男性教員を停職3月の懲戒処分にした。同日付で男性教員は辞職した。
引用元:産経ニュース|ツイッターで生徒になりすまし中傷 男性教員を停職3カ月 「生徒から注目されたかった」

この記事では、Twitterのなりすましについて法的措置を含めた対処方法などをご紹介します。

なりすましの特定方法と対処法

もしも、Twitterでなりすましをされた場合はどのようにすればいいでしょう。

この項目では、Twitterでなりましに遭った際の通報や特定についてご紹介します。

Twitter社に連絡・通報する

なりすましは、Twitterルール(利用規約)で禁止されている行為です。そのため、該当するアカウントのプロフィールやTweetから違反報告をすることが可能です。

また、Twitter内のペルプセンターから問い合わせることも可能です。

関連リンク: Twitter|なりすましアカウントを報告する

フォロワーや友人になりすましであることを報告

なりすましでは、広告の拡散や勧誘、詐欺行為などが行われることもあります。そのため、以下のような方法でフォロワーや周囲の人に注意を促しましょう。

  • 直接連絡の取れるフォロワーに、なりすましであることを拡散するよう依頼
  • サブアカウントなどでなりすましが行われていることを報告
  • 自身で操作できる場合は、被害報告やTweetの削除を行う

なりすましの特定は開示請求が必要

なりすましをした相手を特定するには、発信者情報開示請求という方法があります。これは、運営者やプロバイダに対し、発信者(投稿した人)のIPアドレスなどの情報を請求し、相手を特定する方法です。

なりすましによって、誹謗中傷やプライバシーの侵害などの不法行為が行われた場合は、発信者情報開示請求も検討しましょう。

悪質な場合は警察に相談する

Twitterのなりすましによって、悪質な誹謗中傷や個人情報の漏洩(ろうえい)などが行われた場合、警察に相談するのも1つの方法です。

ただし、警察には『民事不介入の原則』というものがあり、個人間の争い事には介入することができません。そのため、警察が対応するのが難しいケースも多いです。

解決が難しい場合は弁護士に相談する

警察に相談しても応じてもらえなかったり、なりすましによって損害が発生したりした場合、弁護士に相談することをおすすめします。

Twitterのなりすまし被害を弁護士に相談した場合、なりすましアカウントの削除や相手の特定、損害賠償請求などのサポートが可能です。

Twitterのなりすましがバレる3つの理由

Twitterのなりすましは、簡単にバレてしまう迷惑行為です。本人であればなりあすましであることは、当然すぐにわかりますし、芸能人のなりすましなども簡単に見分けがつきます。

この項目では、Twitterのなりすましがバレる理由についてご紹介します。

Twitterのユーザー設定が初期のまま

芸能人や個人がTwitterを始める際、初期設定の段階でアイコン画像やヘッダー画像などを変えると思います。ただし、なりすましのような、Twitterにある程度慣れている人がアカウントを作る場合、初期設定をスキップしてしまうこともあるでしょう。

そのため、アイコンがたまごマークのままだったり、プロフィール欄に何も書かれていなかったりします。

アイコンが頻繁に変わる

一方で、アイコンが頻繁に変わるアカウントも注意が必要です。アカウント凍結などのペナルティを受けた後、アイコンや表示名を変えることによって、ペナルティを受けたことを隠しているかもしれません。

「海の底からこんにちは」「再浮上しました」というのも、なりすましによるペナルティを受けた後である可能性があります。

アカウント名が名前や単語の組み合わせ

Twitterで返信時などに用いる「@〜」ではじまるアカウント名は、英数字や記号を組み合わせて決めます。

芸能人や企業の公式アカウントであれば、アカウント名は名前をそのままアカウントにしたものもあるでしょう。

一方で、名前や単語に「01」や「a」などの簡単な数字を足すことで、アカウント登録を通過させ、サブアカウントのように見せかけるケースもあるのです。

なりすまし行為は罪に問われる可能性もある

Twitterのなりすましは不法行為につながるので、刑事的責任が問われる可能性もあります。

この項目では、Twitterのなりすましをした場合に問われる罪についてご紹介します。

侮辱罪

Twitterなどの誰もが閲覧できる場所は、「公然」の場という扱いを受けます。そのため、Twitterのなりすましアカウントで個人や団体を中傷する投稿をした場合は、侮辱罪にあたる可能性があります。

(侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
引用元: 刑法

名誉毀損罪

名誉毀損(めいよきそん)とは、Twitterのなりすましによって相手を貶めるような投稿をおこなった場合、問われる可能性がある刑事責任です。

(名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元: 刑法

信用毀損および業務妨害罪

芸能人や企業、有名な人に対し、信用を失うような投稿をしたり、営業妨害になるような投稿をしたりする場合には、信用毀損(しんようきそん)や業務妨害罪などに問われます。

(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元: 刑法

また、芸能人の殺人予告やイベンドの妨害予告など、投稿によって個人や団体の活動に支障をきたす場合は、威力業務妨害罪に問われる可能性もあります。

(威力業務妨害)
第二百三十四条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
引用元: 刑法

詐欺罪

なりましでフォロワーなどに対し、嘘の商売の話をして騙したり、ギフトカードや金銭を要求したりした場合は詐欺罪にあたる可能性もあります。詐欺罪は、実刑判決となる重罪です。

詐欺にあたる被害に遭った場合は、早い段階で警察することをおすすめします。

(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
引用元: 刑法

被害にあったら弁護士に相談

Twitterのなりすまし被害の多くは、民事紛争にあたるため、警察に相談しても応じてくれない場合もあります。

「なりすましをした相手を特定したい」「訴えたい」という場合は、弁護士に相談することで、相手の特定や損害賠償などのサポートをすることができます。

この記事がTwitterのなりすまし被害を解決するヒントになれば幸いです。