誹謗中傷対策マニュアル
MANUAL

公開日:2021.07.31

名誉毀損

職場での噂や悪口が名誉毀損や侮辱に当たる3つのケースを弁護士が解説!

職場で根も葉もない噂を流されたり、同僚から悪口を言われたのですが、名誉毀損や侮辱に当たらないのでしょうか?

とても腹が立って許せないのですが、良い対処法はありませんか?

 

誹謗中傷等に悩む企業や個人から1500件以上の相談を受け、迅速に解決してきた法律事務所「弁護士法人ATB」が、このような疑問にお答えします。

最後までお読み頂ければ、「職場での噂や悪口が名誉毀損や侮辱に当たる場合や対処法」などが分かります。

具体的なケースをご紹介しますので、あなたが抱えている悩みが当てはまらないか確認してみて下さい。

【ケース①】根も葉もない噂を流された場合

名誉毀損に当たる可能性あり

例えば同僚から、そのような事実はないのに、

・○○さんは不倫している

・○○さんは妻と不仲で別居している

・○○さんは営業成績をごまかしている

このような噂を流されたら、刑事上の名誉毀損罪、民事上の不法行為(慰謝料などの損害賠償責任が発生)に当たり得ます。

刑事上の名誉毀損罪は、公然と、事実を示して、個人・会社などの社会的評価を下げた場合に成立する犯罪です。

刑事上の名誉毀損罪が成立すれば、通常は民事上の不法行為(名誉毀損)も成立し、損害賠償責任が発生し賠償金の支払い義務が生じます。

また、刑事上の名誉毀損は事実を示すことが要件ですが、民事上の不法行為は、意見や感想を言ったり書いたりした場合でも成立し得ます。

もちろん、能力や人柄などに対する評価は人それぞれで、「仕事ができない」「信用できない」といったネガティブな意見や感想を抱く人がいることは、一般的に理解されています。

ですから、その程度のことを言うだけでは、社会的評価は下がりません。

しかし、例えば上司が「お前の能力は中学生以下」「うち以外、お前を雇ってくれる会社なんて無い」と言えば、意見や感想を言っただけでも、損害賠償責任が発生し得ます。

また、事実を示した上で意見や感想を言った場合も、社会的評価を下げれば名誉毀損に当たり、損害賠償責任が発生し得ます。

例えば、「あの人は上に立つ人間じゃない」と言うだけでなく、「社内で不倫を繰り返し、セクハラ・パワハラの常習犯だから、上に立つ人間じゃない」と言うと、それは事実を示したことになります。

この場合は、先ほど解説した名誉毀損罪にも当たり得ます。

さらに直接事実を書かなくても、ある事実があることを前提として意見や感想を言った場合も、社会的評価を下げれば名誉毀損に当たり、損害賠償責任が発生し得ます。

例えば、あなたに愛人がいることを前提として、「クズ男」などと噂を流した場合です。

ただ、社会的評価を下げるかどうかは、前後の文脈や相手の立場等、様々な事情によって結論は変わります。

「公然」とは?

不特定または多数のことを言います。

「多数というのは何人なのか?」ということは、法律には書いておらず、ケースバイケースです。

これまで3人で認められた裁判例もあれば、5人で否定された裁判例もあります。

また、特定かつ少数に対して事実を示した場合(例えばある社員が、親しい同僚にだけ話した場合)でも、その人から更に広まる可能性があれば、公然性が肯定される可能性は高いです。

実際、社内チャット内での発言について、「チャットに参加していない他の従業員への伝播可能性も十分肯定でき、現に従業員間で伝播していた」として、公然性を認めた裁判例もあります(東京地裁平成28年12月28日)。

ですから、複数の人が参加する飲み会・LINEグループ・チャットツールなどは、十分「公然」に当たると考えられます。

【ケース②】真実ではあるが、知られたくない事実を言いふらされた場合

ケース①は、真実ではない噂を流された場合でした。

しかし、たとえ真実であっても、名誉毀損は成立し得ます。

刑法230条には、「その事実の有無にかかわらず」と明記されています。

例えば、「○○さんは前科がある」「○○さんは少年院に入ってた」ということは、社会的評価を下げると言えます。

たとえそれが真実であっても、ケース①同様、刑事上の名誉毀損罪、民事上の不法行為(慰謝料などの損害賠償責任が発生)に当たり得ます。

本当のことなら言って良い、というのは間違いです。

もっとも、社会的評価を下げるかどうかは、前後の文脈や相手の立場等、様々な事情によって結論は変わります。

例えば、本人が前科があることを公表していれば、今更社会的評価は下がりません。

ただし、社会的評価を下げても、公共性(みんなが知りたい情報か)・公益目的性(それを発表する目的が有用であると言えるか)・真実性(書いてあることが真実であるか)などの要件を満たせば、名誉毀損に当たりません

例えば、会社のお金を横領しているとか、違法な取引をしているような場合です。

しかし、前科があるとか少年院に入っていたという事実は、通常はこの要件を満たしません。

【ケース③】「バカ」「給料泥棒」「ハゲ」「デブ」などと言われた場合

ケース①②では「不倫している」「別居している」「営業成績をごまかしている」と事実を示した例を挙げましたが、事実を示さなくても、公然と侮辱して社会的評価を下げれば、侮辱罪に当たり得ます。

また、民事上は、名誉感情も保護されます。名誉感情というのは、簡単に言うと自尊心やプライドです。

これが傷付けられた場合は、たとえ社会的評価を下げなくても不法行為に当たり得ます。

とは言え、単に不快に感じただけでは足りず、社会通念上許される限度を超えた侮辱行為に限られます。

ケースバイケースではありますが、「バカ」「給料泥棒」「ハゲ」「デブ」などと言われた場合は、侮辱罪や不法行為に当たり得ます。

対処法

刑事上の名誉毀損罪や侮辱罪に当たり得る場合を解説しましたが、それはあくまでも理屈上の問題です。

よほど悪質で、録音などの証拠がしっかり揃っているような場合を除いては、警察が動いてくれる可能性は高くありません。

ましてや、逮捕されたり、起訴されて刑務所に入る可能性はかなり低いでしょう。

また、民事上の不法行為に当たり得る場合も、相手が素直に慰謝料を払うとは考えにくいです。

また実際問題として、いきなり同僚を告訴したり裁判を起こすことで、会社に居づらくなる場合もあるでしょう。

ですから、上司に相談するなどして円満に解決していく方が良い場合もあるでしょう。

結局はケースバイケースですので、「こうすれば全て上手くいく」という対処法はありません。

ただ、一人で抱え込んでしまうと心身に支障をきたすおそれもあるので、早めに信頼できる人や弁護士などに相談するのもオススメです。

お困りの方は、当弁護士法人へご相談下さい

職場での噂や悪口が名誉毀損や侮辱に当たる場合を解説しましたが、ケースバイケースのことも多いので、自分で判断するのは難しいことも多いでしょう。

ですから、もし職場でネガティブなことを言われて、「これは誹謗中傷では?」と思ったら、一度弁護士に相談するのもオススメです。

当弁護士法人では、誹謗中傷を書き込んだ人の特定から損害賠償請求、警察への被害届の提出・告訴も全て対応しております。

初回の相談は無料ですので(書き込み者は除く)、下記からお申し込み下さい。土日を含めできる限り迅速な対応を心がけております。

公式LINEから相談内容を入力して頂ければ、自動で費用の見積もりが表示されます(そのまま無料相談の申込も可能です)。

まとめ

職場での噂や悪口が名誉毀損や侮辱に当たる場合を解説しました。

名誉毀損や侮辱に当たる場合・当たらない場合はケースバイケースですが、大体のイメージは掴んで頂けたと思います。